『ターミネーター2』美少年が43歳に!エドワード・ファーロング、波乱万丈なキャリア振り返り
映画『ターミネーター2』(1991)のジョン・コナー役で一世を風靡(ふうび)した俳優エドワード・ファーロングが、本日8月2日に43歳の誕生日を迎えた。大作で鮮烈デビューを果たし、“美少年”として一躍注目されたエドワードだが、薬物依存や離婚問題など、これまでのキャリアは決して順風満帆ではなかった。
デビュー作『ターミネーター2』でエドワードは、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)の息子で、人類抵抗軍の指導者となる運命にあるジョン・コナーを熱演。T-800役のアーノルド・シュワルツェネッガーに引けを取らない演技を披露し、同年のMTVムービー・アワードでブレイクスルー演技賞を受賞。その後も『ペット・セメタリー2』『アメリカン・ハート』『母の贈りもの』に出演するなど、1990年代を通して目覚ましい活躍を見せる。
日本での人気も高く、CM出演やアルバムリリースなど精力的に活動していたエドワード。しかし、『ターミネーター2』でブレイク後、薬物依存症とアルコール依存症に苦しみ、2000年にリハビリ施設に入院。治療後も、薬物の過剰摂取で救急搬送されたほか、2001年には無免許運転、飲酒運転で逮捕されてしまう。2003年に『ターミネーター3』が公開されたが、エドワードの出演は見送られ、ジョン・コナー役にはニック・スタールが起用された。
さらにエドワードは、2006年に結婚した女優レイチェル・ベラとの間にもトラブルを抱えた。2009年にレイチェルが離婚を申請すると、エドワードに3年間もの接近禁止令が言い渡される。だが、エドワードはこれを無視して彼女に近づき、2011年に逮捕。2013年に保護観察違反で、禁固刑に処せられている。同時期にエドワードは、ドメスティック・バイオレンス(DV)の疑いでも逮捕されており、黄金期のオーラは影を潜めてしまった。
そんなエドワードが、昨年公開された『ターミネーター2』の正統な続編『ターミネーター:ニュー・フェイト』でジョン・コナー役として復帰すると、製作のジェームズ・キャメロンの口から言及された。28年ぶりの復活にファンの期待も高まっていたが、実際の出演シーンは冒頭のみ(しかも、ジョンは殺害されてしまう)。ジョンの体はボディダブルで、顔はデジタルで置きかえられていた。エドワードは映画公開後、米YouTuberの動画で「あれはひどかったよ。でも、今回の役割なのさ。僕は1日だけ撮影して、その後、製作陣がCGを施したんだよ。ちゃんと出演料もくれた。でも、あれはガッカリだよ」と本音をこぼしていた。
現在に至るまで、壮絶な人生を送ってきたエドワード。2019年に米Forbes誌の取材に応じた際には、デビューして間もない13歳の自分に向けて「(当時の自分に)大丈夫だと言ってあげたいね。瞬間を楽しむのもありだけど、人生そのものを楽しめってね。人生、良いことも悪いこともある。純粋にリラックスして、楽しんでほしいね」とメッセージを残している。
43歳になる3週間前には、オンラインイベント「バーチャル・ハリコン」に参加したエドワード。日本のファンが寄せたポートレイト1枚1枚に丁寧にサインを書きながら「また東京に行きたいよ」とメッセージを送るなど、元気な姿を見せていた。
『ターミネーター:ニュー・フェイト』でのカムバックは思ったようにはいかなかったが、エドワードが今なお多くのファンに愛されているのは事実。俳優として、新たな輝きを見せてくれる日を期待したい。(編集部・倉本拓弥)