ツイッターなどで少女らに呼びかけていた(写真はイメージ)

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少女ら約750人に動画サイトでわいせつ行為を配信させていたなどとして、指示役の夫婦が大阪府警に再逮捕され、その人数の多さにネット上で驚きの声が上がっている。

少女らは、なぜこのような配信に応じたのだろうか。府警の保安課に話を聞いた。

「パフォーマー」と少女らを呼んで指示していた

「容疑者の夫婦は、『パフォーマー』と少女らを呼んで指示していましたね。16歳の無職の少女から50代までいましたが、大半が未成年でした。知人を介して紹介してもらったり、ツイッターなどのSNSで呼びかけたり、街頭でスカウトしたり、色んな形で750人もの人数を面接していました」

大阪府警保安課の担当者は2020年6月26日、J-CASTニュースの取材にこう明かした。

報道などによると、容疑者の女(21)とその夫の男(39)は、いずれも住居不定の無職で、20年4月9日に公然わいせつの疑いですでに逮捕されている。大阪市内のマンションの部屋で20年1月24日と3月5日、無職少女(18)と高校3年の少女(17)がそれぞれ下半身を見せるなどした映像を「FC2ライブ」のサイトで生中継したとしている。少女2人も同容疑で逮捕された。

夫婦は、「性器を見せてはダメだと伝えていた」と容疑を否認したが、少女2人は認めたという。

今回、夫婦が6月9日に再逮捕されたのは、職業安定法違反(有害業務募集)の疑いになる。17年11月ごろ、わいせつ行為を配信させようと当時19歳の少女を勧誘したもので、同様にして、計約750人とオンラインなどで17年9月〜20年4月に面接し、自宅などから配信させていたという。さらに、18年10月〜19年10月、当時16歳の少女を大阪市内のマンションに住まわせ、月20万円のノルマを課してわいせつ行為を配信させた児童福祉法違反(有害支配)の疑いなどで夫婦を追送検した6月25日、2容疑をまとめて報道発表した。夫婦は、黙秘しているという。

少女らは、「ネット配信なら接する相手がいないので安心」と応じる

動画は、1ポイント1円と夫婦が設定して有料配信し、少女らには半分を報酬として渡していた。1日で4万8000円を稼ぐ少女もおり、そこそこの収入になっていたようだ。容疑者の女が、主に少女らと面接し、指示していたという。

容疑者の男は、3年前にも「FC2ライブ」のサイトで同様な行為を繰り返して大阪府警に逮捕されており、府警が再度しているとの情報を得て捜査していた。このときは、当時18歳の無職の少女も共犯で、ネット上では、今回逮捕された女はこの少女ではないかとの憶測も出ているが、府警保安課の担当者は、「3年前は未成年になりますので、回答を差し控えたい」としている。

今回、約750人もの少女がわいせつ行為の配信に応じた理由について、この担当者は、こう話した。

「家宅捜索したときに、女の子が1人いて、コロナの影響で風俗の仕事がなくなって応募したと言っていました。容疑者も、『年末ごろから、風俗の女の子が仕事がなくなって流れてきている』と供述していました。女の子らは、ネット配信なら接する相手がいないので安心だとして、気軽に仕事ができたとも言っていました。『楽してお金を稼ぎたい』とも言っており、オンラインなので女の子も抵抗感がないらしいですね」

報道によると、女名義の通帳には、サイト側から17年9月〜20年4月に計3億1700万円の入金があり、新型コロナの感染が拡大した20年3〜4月の1か月間は、過去最高の約3550万円に上った。

しかし、保安課の担当者は、こうも言う。

「配信された映像や画像は、どういう形で出回るか分かりません。デジタルタトゥーとして残る可能性もありますので、女の子たちには、そのことを厳しく伝えました」

「パフォーマー」の少女らは、画像が残っていないので捜査が難しいものの、裏付けの取れた6人を立件し、逮捕した2人以外は書類送検したとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)