食生活と心臓病・不整脈の関係から思ったこと
日本の朝ごはんの奥深さを感じました
新型コロナ禍に陥る前のことです。「不整脈心電学会」と「心臓リハビリテーション学会」の各学術総会が開催され、私は前者の市民公開講座に参加しました。
循環器関連の医療機器をメインに取り扱ってきた私にとって、『生活習慣に潜む不整脈の芽:不整脈からあなたを守る生活とは?』というテーマは魅力的だったので、興味津々で拝聴して来ました。
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講座の各セッションが、以下の4項目ものテーマに分かれていました。「生活習慣の改善」と「不整脈」とは深い関係があるんだなぁと思いました。
1.喫煙と心臓病・不整脈
2.運動と心臓病・不整脈
3.不整脈と飲酒・肥満との関係
4.睡眠と心臓病
先ず第一に、日本の健康事情を厚生労働省平成26年人口動態統計の年間推計で見ると、生活習慣病のトップ4は、1位;がん 2位;心疾患 3位;肺炎 4位;脳血管疾患です。
臓器別では「心臓」がトップです。心臓は生命に直結した臓器ですね。
また「肥満」と聞くと、脂っこいものを好んで食べ続けて、脂肪が腹部に付いている様を想像してしまいます。あまり良いイメージが湧いてきません。
しかし脂肪酸には必須脂肪酸があって、特にωー3系多価不飽和脂肪酸はとてもからだに良い。青魚に含まれているEPA,DHAを摂りましょうとテレビなどで見聞きする、あれですよ。この成分は脳梗塞の原因とも言われている心房細動という不整脈の予防効果に期待できるというのです。(※1)1日1gを目安に摂るのだそうです。(※2)
話しは替わって睡眠と心臓病のセッションでは、何と言っても規則正しい生活を送ることが大切とのこと。日の光を十分に浴びる事で脳が目覚める。消化器系の臓器を目覚めさせるために「朝ごはん」をしっかり摂ることが大切です。今から半世紀前に、カリフォルニア大学のブレスロー教授が提唱していた7つの健康習慣の中にも、朝食を食べることが明記されています。(※3)
育ち盛りのこどもに朝ごはんを提供している足立区の公立小学校があったり、魚嫌いだった女の子が焼き魚などを残さず完食して、一日元気に過ごせると実感しているという。また足立区は都の健康寿命(人の手を借りなくても自立して生活できる年齢)の平均より約2歳短く、糖尿病に掛かる医療費が東京23区で最も高額だそうです。そこで糖尿病対策として食生活を見直し、「ベジファースト」(ひと口目は野菜から)を実践。それに呼応するように児童たちが学校で「ファーストサラダ」と教わってくるそうです。
このような取り組みが健康寿命の延伸と医療費の削減という課題解決に繋がったのです。(※4)
これらの実例から思ったこと。それは和食の奥深さです。
にほんの朝ごはんの定番「焼き魚」。アジは青魚の代表格です。血液サラサラ成分もしっかり入っている。それと「納豆」。これも納豆菌に含まれるナットウキナーゼという酵素が働いて血栓予防に繋がります。
たまご掛けごはんには良質なタンパク質の他、炭水化物と脂質の3大栄養素が豊富に含まれています。
赤ちゃんの離乳食としても馴染みがあるし、高齢者に多い誤嚥を予防するのにちょうど良いですね。
むかし小学生だった頃、夏休みの海水浴で泊まった民宿で出してくれた朝ごはんの献立を思い出しました。
参考;(※1)第65回日本不整脈心電学会市民公開講座生活習慣に潜む不整脈の芽:不整脈からあなたを守る生活とは?
(※2)日本食品標準成分表2015年度版
(※3)健検公式テキスト第1刷 健康とは何か
(※4)2018年7月13日 読売新聞
[文:健康わくわくサイト]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
株式会社SOily 代表取締役 岡本 頼幸
幼少時代から生命の不思議に取り付かれてきました。
生体の分化発生の不思議を研究 〜 免疫検査を通しての患者様への想い 〜 医療・健康機器のユーザー様から頂いた奉仕の心・・・。
これらのことから医療・健康の大切さを、長年にわたって実感して参りました。
今、予防医療というポピュレーションストラテジーが重要になっています。
更に「競技スポーツ」に「健康スポーツ」という親しみ易い概念も取り入れようとしています。
みなさまが人生の目的を達成するために大切な、「健康」についてのトレヴィアをお届けしたいと思っています。
みなさまの目となり耳となりそして足となって得た豆知識を、私の経験を交えてできるだけ分かり易くお伝えできれば幸いです。