東京2020オリンピック・パラリンピックにむけて建設されたJR原宿駅の新駅舎の利用が2020年3月21日に始まった。

隣接する木造建ての旧駅舎は、96年の歴史に幕を下ろし解体される。都内最古の木造駅舎とガラス張りの新駅舎が並ぶ姿は今しか見られない。

原宿といえば、休日には竹下通りに身動きが取れなくなるほどの人が集まる。若者で賑わう原宿駅舎の世代交代だけに、人もたくさん集まっていることだろう――そんな予想を見事に覆すのがこちらの写真だ。


ガラスの壁に広々とした改札、オープンしたばかりとあって床もピカピカだ。新しい部屋に引っ越してきたばかりといった感じだが...なんだかスッキリしすぎではないだろうか。

その違和感の正体は人の少なさだ。投稿主の「背景美塾のMAEDAXです。」(@maedax_x)さんがこちらの様子を撮影したのは27日。MAEDAXさんはツイッターで、

「できたばかりの原宿駅なのに、人がいないから建築の完成予想図パースみたいな写真に」

と投稿している。完成予想図(パース)とはチラシなどに掲載される、マンションや商業施設などの立体的なイメージ図のことだ。

本物のイメージ図と比べてみた

JタウンネットがMAEDAXさんに詳しく話を聞いたところ、写真は通勤途中に撮ったもの。この日は電車が来ても降りる人は少なく、撮影時も常に2、3人くらいしか辺りに乗客がいなかったという。

その様子を「完成予想図」に例えた理由を聞くと、

「通常であれば昼の原宿駅は観光客でごった返すので、完成予想図のような写真は撮れないです。今回は撮れるはずのない『新しくできたのに人がまばらでゆとりのある綺麗な原宿駅の写真』が撮れたので、このような表現にしています」

と説明した。

ちなみに過去にJR東日本が発表した新しい原宿駅舎のイメージ図はこちらだ。


新駅舎イメージ図(表参道改札)

改札が異なるため若干の相違はあるが、雰囲気はどことなく似ている。むしろイメージ図の方が賑わっている印象だ。

MAEDAXさんの投稿に対し、他のユーザーからは、

原宿駅すごく、綺麗になりましたね!」
「素材撮りに最適な1日になりそうですね」
「マンガの資料写真の為に、都内各地の人の少ない風景を撮影するのに絶好のチャンスですが、自粛が賢明ですね」

といった声が寄せられている。たしかに、こんなに綺麗なのに人がいない駅舎は都内ではレアかもしれない。