県外への脱出ルートはごくわずか 「香川封鎖」はめっちゃ簡単だという説が話題に
人々の移動を制限する「封鎖」という言葉が、徐々に現実味を帯びてきたが、実際にはどうだろう。
ある香川県民が考えた「香川から徳島愛媛へ脱出する計画」が話題になっている。
ほんの出来心で香川から徳島愛媛へ脱出する計画を考えてみたけど、県境が基本的に山の稜線上なのでトンネル何本か押さえたらほぼ封鎖が完了してしまうことに気づいて真顔になっている pic.twitter.com/N2aanu2FFm
— コンノ@戦車作る人 (@john_kon) 2020年3月14日
画像は、投稿者のコンノ(@john_kon)さんが考えた、香川県脱出ルートだ。
香川県から徳島県・愛媛県に向かおうとしても、「県境が基本的に山の稜線上なのでトンネル何本か押さえたらほぼ封鎖が完了してしまうことに気づいて真顔になっている」というコメントが添えられている。
この脱出計画が作られたきっかけは、新型コロナウイルスではなく、子どものインターネットやゲームへの依存症防止のため、コンピューターゲームの利用時間を1日60分までと制限する「目安」を盛り込んだ香川県の条例にあるようだ。
条例は、2020年3月18日、香川県議会で可決し、成立した。
投稿者によると、「子供たちがゲーム機を持って自力で県外に脱出する想定なので、徒歩で山越えは夕暮れまでにお家に帰れないので基本除外します。オフロードバイクや漁船チャーターも同様に除外。 主要な県境や県をまたぐ公共交通機関はPTAの検問が敷かれてます。といったような思考実験」ということだ。
投稿者の計画を元に、Jタウンネット編集部でも検証してみることにした。
トンネルが封鎖されると、脱出できない説は本当か?
香川脱出計画 「コンノ@戦車作る人」(@john_kon)さんのツイートより
改めて、投稿者のコンノさんが作った脱出計画を見てみよう。
画面の向かって右側(方位で言うと東側)を走るルートは、国道11号線だ。徳島県徳島市から香川県高松市を経由して愛媛県松山市に至る一般国道である。首尾よく徳島県側に脱出できれば、ゲームを楽しめるだろう。
ただ、この11号線上にはPTAによる検問が設けられるかも......。
その近くを、JR四国の高徳線が走っているが、香川県内の駅からの乗客はゲーム機を持っていないか、チェックされるかもしれない。また並行するように、高松自動車道も走っている。大坂トンネルを抜けると、そこはゲーム自由の国(?)徳島だ。
高松自動車道の西側には、東かがわ市と徳島市を結ぶ国道318号線がある。県境にまたがるのは、鵜の田尾トンネルだ。このトンネルを抜けると、香川から脱出できる。
一般国道438号三頭トンネル(Wikimedia Commonsより)
さらに西側には、高松市を起点に、讃岐山脈を越えて徳島平野西部の美馬市へ向かう国道193号がある。また国道438号は、坂出市から讃岐山脈を越え、徳島平野西部のつるぎ町を経て、徳島市に至る。県境にあるのは、三頭トンネルだ。このトンネルも封鎖ポイントだろうか。
もっと西には、国道32号が香川県三豊市から徳島県三好市に向かって、JR四国の土讃線に沿いながら走っている。県境にあるのは、猪ノ鼻トンネルだ。このトンネルにもPTAの検問ができるかもしれない。
香川県の最西部、愛媛県との県境には、前述した高松自動車道と国道11号が横断している。JR四国の予讃線も走っているので、この辺りは厳重な検問が設けられるのは間違いない。うまく愛媛県に脱出できれば、ゲームが楽しめる。
以上、投稿者の脱出計画をトレースしてみたら、「トンネル何本か押さえたらほぼ封鎖が完了」という指摘は、ほぼ当たっているようだ。
というわけで、子供たちが香川県を抜け出してゲームを楽しんでから帰ってくるというのも、とても大変そうだ、ということも分かった気がした。「封鎖」は、される方も、する方も、大変なのだ。