キャンプに視察に訪れたソフトバンクOBの摂津正氏(右端)【写真:福谷佑介】

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DAZNの「12球団キャンプキャラバン」でソフトバンクのキャンプに訪れた摂津氏

 2月1日に一斉にスタートしたプロ野球12球団の春季キャンプ。球春到来が週末と重なったこともあり、各キャンプ地は多くのファンで賑わいを見せていた。

 スポーツ・チャンネル「DAZN(ダゾーン)」では解説陣が独自の視点でキャンプ取材を行って情報を発信する「12球団キャンプキャラバン」を順次配信中。その解説陣の1人としてソフトバンクのキャンプに視察に訪れたソフトバンクOBの摂津正氏が、キャンプにあるソフトバンクの常勝軍団の秘訣について語った。

 2009年のプロ入りから現役を引退する2018年まで、10年間、ホークスの主力選手としてプレーしてきた摂津氏。その経験から、キャンプにおけるソフトバンクの強さの要因について「ベテラン選手が率先して何でもやりますよね。声を出すのもそうですし、朝の歩調もそうです。ベテランだからやらなくていいなんていうのはないですよね。みんなやらなきゃいけない。それがいいのかなと思います」と語った。

 ソフトバンクには“元気印”の松田宣浩内野手や川島慶三内野手、内川聖一内野手といったベテランがいる。この面々が積極的に声を出し、チームの先頭に立って活気を与えている。キャンプの全体練習に行われる“歩調”という、全員が掛け声に合わせて足を運ぶ練習でも、ベテランがきっちりこれをこなしている。

 練習でも、そうだ。声を出すことはもちろん、ソフトバンクのベテランはよく練習する。特守や特打の指名メンバーに入っていなくても、自らロングティーや室内でのマシン打撃などで必死にバットを振っている。摂津氏も「若い選手はもっと追い抜くためにやらないといけないと思いますし、いい方向にそれが向いているんじゃないかと思います」と、その効果を実感する。

 摂津氏自身も現役時代は「本当に抜かれないようにしなきゃと思ってました」という。そして「そういう姿勢がホークスの伝統だと思いますし、チームとして競争があることでレベルが上がると思いますね」と、ホークスの強さの一因がここにあると指摘していた。

 また、ファンの人からは見えないグラウンド以外でのキャンプの過ごし方も紹介してくれた。まず朝。「その日その日で違いますけど、大体出発の2時間前くらいには起きてると思いますね。選手によってはそれよりも早く起きて朝ウエートやる選手もいますし、それは人それぞれですけどね」。ソフトバンクのA組は宿舎を出発するのは9時過ぎ。となると、だいたいの起床は7時、もっと早く起きてウエートトレーニングなどを行う選手もいるという。

 全体練習や個別練習を終えて球場を後にしても、1日は終わりじゃないという。「グラウンドからホテルに帰っても、個人で頼んでいるパーソナルトレーナーとのトレーニングをやったり、治療もあります。夕食が終わってからも、マッサージを受けることもあるし、本当に寝るまで野球のことに取り組んでいますね」。グラウンドを離れても、やることは盛り沢山。1日中、野球漬けの生活になるという。

 ただ、これはシーズンを戦い抜くにあたって大切な1か月間だ。「今の時期しかできないことですし、凄く大事な時間なんです」と摂津氏。この野球漬けになる日々があるからこそ、選手たちはシーズン中に私たちを喜ばせ、驚かせるプレーができるのだ。(Full-Count編集部)