マウンテンバイクのハンドル! 種類と選び方を紹介!
マウンテンバイクの乗り味が大きく変わるのがハンドルです。
ハンドルって単なる金属の棒なんて思われるかもしれませんが、ライダーとの接点になるハンドルは、一見すると同じように見えても細かく違ってきます。
微々たる違いがライディングを大きく変えてくれるので、マウンテンバイクの最初のカスタムにおすすめなパーツになります。
実際には、使ってもみないと乗り味というのはわからないですが、大きく失敗しないように自分自身に合ったハンドル選びのポイントを紹介していきたいと思います。
マウンテンバイクのハンドルの種類
マウンテンバイクのハンドルの種類はまず形の違いがあります。今回はよく使われることが多い【フラットバー】と【ライザーバー】の2つを紹介したいと思います。
【フラットバー】
直訳すると「平らな棒」ということで、平らなハンドルになります。あとでご紹介しますが、フラットバーはライズ量が少ないハンドルで、構造がシンプルなので軽量になってきます。またハンドルの高さが低くなることで前傾姿勢になり、スピードが出しやすくなるのでクロスカントリーなどのレースに使われることが多いハンドルです。
【ライザーバー】
マウンテンバイクの主流のハンドルといえば、ライザーバーになります。ステムからハンドルの握るところまで15mm〜30mmの高さがあるハンドルで、ライダーの重心が後ろになり起伏大きいトレイルに向いているハンドルになります。
ハンドルの素材
マウンテンバイクのハンドルに使われている素材は、主に【アルミ】【カーボン】【クロモリ】の3つで、よくスポーツ自転車に使われることが多い素材になります。その中でも主流なのが【アルミ】と【カーボン】になるので、今回はこの2つの特徴を紹介したいと思います。
カーボンの方がアルミより優れている素材と思うかもしれませんが、使われる素材や加工の仕方でも違ってきます。安価なカーボンハンドルと高価なアルミハンドルでは、性能としては高価なアルミハンドルの方が優れているということも少なくありません。
金額に制限がないなら、もちろん高価なカーボンハンドルの方がいいですし、所有欲も満たされれると思いますが…その辺りもハンドルの素材はハンドル選びの悩みの一つだと思います。
【アルミ】
アルミのハンドルは完成車にもよく使われていて、軽量で加工しやすいので価格も安いのが特徴です。といっても、アルミでも素材の種類や作り方によって重量や剛性が変わってくるので、軽くて丈夫なアルミのハンドルバーは価格も高くなります。
特にこだわりがない場合やどんなハンドルがわからないという人は、アルミのハンドルで試してみるのもいいと思います。
【カーボン】
マウンテンバイクのハードなライディングでは、カーボンハンドルはすぐに折れてしまうのではないかと思われるかもしれませんが、きちんとしたメーカーのものならしっかりした剛性があります。また、カーボンハンドルは細かな振動を吸収してくれて、疲労の蓄積を軽減することができると言われています。
価格は他の素材に比べると高価ですが、軽量で剛性もあり振動吸収力もあるので、一度使ってみるのもいいと思います。
ハンドルクランプ径
ハンドルクランプ径とは、ハンドルとステムの取り付ける部分のパイプの太さになります。現在マウンテンバイクでは、もともとあった【31.8mm】と新しい規格で徐々に増えてきている【35mm】の2つが存在します。
この2つは基本的に互換性がないので、ハンドルクランプ径を変える際にはステムも交換になりますが、【35mm】のステムにはハンドルシムを入れることでクランプ径が【31.8mm】のハンドルを取り付けることが可能です。
【31.8mm】
昔から主流の規格で、多くのマウンテンバイクに使われていることが多いクランプ径になります。
【35mm】
幅が広いハンドルが使われることが多くなり、今後マウンテンバイクのクランプ径で主流になっていく規格になりあます。
ハンドルのライズ量
ハンドルのライズ量とは、ハンドルの中心にあるクランプ部分の中心からハンドルの端の中心部分までの高さになります。マウンテンバイクで使われるハンドルのライズ量は主に0〜40mmのものが使われることが多いです。
ライズ量によるマウンテンバイクの乗り味は、バイク自体やステムなどのセッティングによっても変わってきますし、走るフィールドによっても違ってきますので、ライズ量の選び方は難しいですが、最初は20mm前後のライズ量のハンドルを選んで、自分自身に適したライズ量のハンドルに変更していくといいと思います。
・ライズ量が大きいハンドル
ライズ量が大きいハンドルは、ライダーの重心が後ろ寄りになるので、急な下りなどに適しているハンドルになります。
・ライズ量が少ないハンドル
ライズ量が少ないハンドルは、ライダーの重心が前よりになるので、フラットな場所や上りに適したハンドルになります。
ハンドルの幅
マウンテンバイクのハンドルは、幅が違うものが売られていて、550〜800mmのものが一般的です。どのハンドル幅がいいのかというと、これは好みという部分が大きいですが、体格、競技や走るフィールドによっても違ってきます。
ハンドルはカットして好みの幅にすることができるので、どのぐらいのハンドル幅がいいのかわからない場合は、ハンドル幅が広いものを選んで徐々にカットして、いい塩梅の幅に調整して使うのがいいと思います。
・幅が広いハンドルの特徴
幅が広いハンドルはハンドルに荷重しやすくなるので、下りや荒れた路面でもハンドルを抑え込みやすくなり、安定したライディングがしやすくなります。しかし、ハンドルが長くなることで狭い隙間などを通る際にハンドルが張り出している枝などに引っかかりやすくなります。
・ 幅が狭いハンドルの特徴
幅が狭いハンドルは握る部分が狭くなるので脇がしまり、高速走行がしやすかったり、登りやすかったりします。また、幅が広いハンドルと違い、狭い隙間なども通りやすくなります。
ハンドルのベンド(曲がり)
マウンテンバイクのハンドルにはベンドという曲がり(角度)があります。ハンドルの端に向かって上へ曲がる【アップスイープ】というのが一つ。もう一つが手前に曲がる【バックスイープ】になります。
どちらも好みは人それぞれになりますが、標準的な角度はアップスイープが6度前後で、バックスイープが7度前後になるので、最初はこの辺りの角度があるハンドルを選んで好みの角度を探してみるのがおすすめです。
ハンドルのベンドによってライディング姿勢が変わってくるので、乗った際に自然な状態になるようなハンドルがベストだと思います。
・アップスイープ
ハンドルの端に向かって上への曲がりのことで、角度がないハンドルのことをフラットバーと言います。
・バックスイープ
ハンドルの手前に向かって曲がりのことになります。
ハンドル交換の注意点
ハンドル交換する際には注意点がありますので、そちらも紹介したいと思います。
専門知識や技術がない人はプロショップに相談してパーツ交換などした方が安心だと思います。
【ハンドルクランプ径】
ハンドルのクランプ径の注意点は、先ほどハンドルクランプ径のところでも少し触れましたが、マウンテンバイクで使われるハンドルクランプ径は【31.8mm】と【35mm】の2つになり、それに合わせてハンドルとフォークを固定するステムを合わせないといけなくなります。
【ハンドルカット】
ハンドルの幅を調整するためにはハンドルをカットするのですが、ハンドルカット方法はハンドルの材質によっても変わってきます。アルミやクロモリのハンドルはパイプカッターで切ることができますが、カーボンハンドルはパイプカッターだと割れてしまう可能性があるので、カーボン用のノコギリを使って切ることになります。ハンドルカットの際にはその辺りに注意が必要です。
【ボルトの締め付けトルク】
ボルトの締め付けトルクとは、簡単にいうとどれぐらいの強さでボルト締め付けるかということで、パーツによってこの締め付けトルクが変わってきます。弱すぎるとパーツが取れてしまったり、ずれてしまったりして危険ですし、強すぎるとパーツの破損に繋がるので、こちらも危険になります。
マウンテンバイクのハンドルに関しては、アルミやクロモリなどの金属系のものは締め付けトルクがそんなにシビアではないですが、カーボンのハンドルは締め付けトルクがシビアになってきます。
カーボンハンドルで強くステムのボルトを閉めてしまうと割れてしまうので、トルクレンチを使ってしっかりメーカーが設定した締め付けトルクでの取り付けを締めましょう。
まとめ
マウンテンバイクのハンドル選びはフィールドや競技などに応じて自分自身に合ったハンドルを選ぶことがベストですが、一発で好みのハンドルに辿り着けるのは難しいと思うので、現在使っているハンドルをベースに少しずつ形を変更して近づけていくのがいいと思います。
また、複数のハンドルを持っていると、ライディングするフィールドによって変更することも可能なのでありだと思います。
しかし、ハンドル選びには注意点もありますので、交換に不安がある人は、専門のプロショップに相談してみるといいと思います。