川島慶三(写真はヤクルト時代)

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 ソフトバンク・川島慶三への球団フロントの対応が、ネット上のソフトバンクファンの間で物議を醸している。

 問題となっているのは、複数メディアが2日に報じたヤクルト・バレンティンの獲得に関する内容。今オフ獲得を狙うバレンティンに対し、ソフトバンクは今シーズンの年俸額である4億4000万円(推定)を上回る金額や複数年契約を用意。近日中にも担当者がバレンティン側と接触し、一気に話をまとめる算段であるという。

 一方、ソフトバンクは並行して、ヤクルト時代から背負ってきた背番号「4」もバレンティンに提示。これに伴い、2017年から今シーズンまで同番号を着用していた川島に背番号変更を打診し、川島もこれを承諾したと伝えられている。

 今回の一件を受けたソフトバンクファンの反応だが、「キューバ勢が残留するかは不明だし、獲れるなら獲った方がいい」、「どこまで働くかは分からないけど、実力を出してくれれば相当頼りになるはず」、「若手が出てくるまでの繋ぎっていう意味でも獲得には賛成」と、バレンティンの獲得自体には理解を示す声が多数。

 一方、バレンティンのために川島の背番号を“剥奪”した点については、「功労者の川島から背番号剥ぎとるなんて球団は何考えてるんだ」、「せっかくFA行使せずに残ってくれたのにこの仕打ちはない」、「本人は受け入れてるかもしれないけど、ファンとしては到底受け入れられない」、「バレンティンはオランダ代表でも4番だし愛着あるんだろうけど、だからといって川島から取り上げるのはどうなの?」といった球団フロントへの批判が噴出している。

 「2014年7月にヤクルトからトレードでソフトバンクに入団した川島は、パンチ力と勝負強さを兼ね備えた打撃に加え、ベンチを盛り上げるムードメーカーとしてもチームに貢献している選手。また、今オフは海外FA権を行使せず、『地元九州で現役を終えたい』と“生涯ソフトバンク”を宣言してもいます。長年チームを支えるバイプレーヤーとして人気も根強いだけに、今回の一件には納得していないファンも多いようです」(野球ライター)

 2010年オフ、当時所属していた杉内俊哉に「携帯電話会社と同じ。新規に優しく既存に厳しい」と痛烈に皮肉られた上、翌年オフにはFA権を行使され巨人へ移籍されてしまったソフトバンク。あれから8、9年が経過した今でも、球団の体質はあまり変わっていないのかもしれない。

文 / 柴田雅人