2020年1月24日(金)公開の映画『his』で映画初主演を飾る宮沢氷魚。“男性同士の恋愛”に初挑戦の宮沢氷魚が役作りの参考にした映画2本が明らかになった。

宮沢氷魚が演じるのは、周囲にゲイだと知られることを恐れ、東京からひとり、田舎にやってきた主人公・井川迅。迅が恋焦がれる日比野渚役に藤原季節。ゲイであることを隠しながら、女性と結婚し、家事に子育てにと励むイクメンを演じる。監督を、『パンとバスと2度目のハツコイ』『愛がなんだ』などで知られる今泉力哉が務める。

映画初主演を務める宮沢氷魚は、海外と日本におけるLGBTQをとりまく環境の違いを目の当たりにしたことが、出演のきっかけになったと語っている。

「幼稚園から高校までインターナショナル・スクールに行って通っていて、男子校で先輩にも後輩にもゲイやバイセクシャルの人が当たり前にいましたし、アメリカにいたときもみんなオープンに公表していました。でもいざ日本の社会に出てみたらその認識というか受け入れ方がまるで違ってショックでした。だからこそ、何らかの形でLGBTQの認知度を上げたいと思っていたので、この企画のお話をいただいた段階ですぐにやらせてくださいと言いました。」

ゲイだと知られることを恐れ、東京を離れ田舎暮らしを選ぶ主人公を演じるにあたり、宮沢さんが参考にしたのは、男性同士の身を切られるような切実な恋愛を描いた映画『ブエノスアイレス』と『ブロークバック・マウンテン』。

アルゼンチンの雄大な自然のもと、トニー・レオンとレスリー・チャンが愛しあうが故に、お互いを傷つけてしまうカップルを演じ、第50回カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した『ブエノスアイレス』。1960年代の保守的なアメリカ西部を舞台に、惹かれあう2人の男性の20年間を描いた『ブロークバック・マウンテン』は、ヒース・レジャーのアカデミー賞主演男優賞ノミネートを含む、最多の8部門にノミネート、監督賞、脚色賞、作曲賞の3部門を受賞した。

この2本を、クランクインの前に製作陣から観ておくべき作品として与えられた宮沢。恋愛だけではなく、2人の男性の生き方を情感たっぷりに描いている作品から恋愛の本質を学んだという。

「キラキラした男性同士の恋愛というより、もっと自然体に演じるにはどうしたらいいのか考えながら映画を観ました。人を深く愛してしまったときの、危うさや醜さといった、人間味のある部分が描かれていたので、芝居の参考にしました」

「もどかしさと、真逆の勢い。両方を大事にした」とキスシーンに臨む心境も披露している。今回、「これで誰かを救うなんて言ったらバチが当たるぐらい大袈裟ですが、一人でも多くの人に興味を持っていただければ、ぼくたちがこの作品を作った意味があると思う」と語る宮沢。役作りの成果が伝わる切ない新場面写真も解禁となった。

映画『his』は2020年1月24日(金)より新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

(C)2020映画「his」製作委員会

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