井上尚弥(左)【写真:Getty images】

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11回にあった唯一のダウンシーン、欧州の実況者の反応は?

 ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム決勝はWBA&IBF王者・井上尚弥(大橋)がWBAスーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)に判定勝ちを収め、WBSS制覇を果たした。井上は激しい死闘の末、11回にこの試合唯一となるダウンを左のボディーブローで奪った。実際のシーンをWBSSが動画付きで公開。海外での実況はどう伝えたのだろうか。

 2回にドネアの左で右目瞼の上をカット。後になって眼窩底の骨折も明らかになるほどの死闘を演じた井上だったが、強烈なパンチでは一度はドネアをキャンバスに跪かせた。

 11回だ。1分過ぎ、右のアッパーをブロックされた直後、わずかに空いたボディーに井上が繰り出したのは、渾身の左フック。右のレバーに直撃させると、ドネアはたじろぎ後退する。

 その直後だ。ドネアは背を向けるように後ずさりすると、そのまま井上から距離を取りコーナー付近で膝をついてうずくまったのだ。この試合奪った初めてのダウン。ドネアが苦痛に顔をゆがめる一方で、場内は大歓声に包まれた。

 井上の凄まじい破壊力がわかるダウンシーンをWBSSは動画付きで公開。「ノニト・ドネアを膝まづかせたナオヤ・イノウエの残忍なボディショットのスロー動画」などとつづり、スロー映像も交えて振り返っている。

現地実況大興奮「人々はこの試合をまた将来振り返ることになる」

 これは英衛星放送局「スカイスポーツ」の映像だが、現地の実況はこの試合を興奮気味にこう伝えている。

「これはボクシングの歴史に残る素晴らしい試合だ。人々はこの試合をまた将来振り返ることになる」

 さらにダウンシーンには「ドネアは倒れなかったが、肝臓がボディーショットに反応している」とドネアが悶絶した強烈さを伝えていた。

 各方面から称賛を浴びる死闘。欧州全土に井上の強烈なパンチは強い印象を残した。(THE ANSWER編集部)