ジュニアたちの前でドライバーショットを披露する石川遼(撮影:ALBA)

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<HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP 3日目◇9日◇PGMゴルフリゾート沖縄(沖縄)◇7226ヤード・パー71>

最終ラウンドがスタートした30分後、会場の一角でジュニアたちがそわそわとプロの登場を待っていた。
石川遼と宮里優作が何やら…ドライバー談義?

この日に行われたのが、JGTO選手会と大会主催のPGMが行っている「ジュニアラウンドレッスン」。決勝ラウンドに進めなかったプロ5人が集まり、地元のジュニア選手15人と試合に使っていない「ハイビスカスコース」を数ホールをラウンド。その後は練習場でのレッスンつきという豪華イベントは、本大会の恒例行事となっている。

今年は浅地洋佑、石川遼、井上信、嘉数光倫、宮里優作が参加。予選落ちしてしまった選手とは言え、豪華講師陣が顔をそろえた。選手たちが登場すると、一気に子どもたちの表情が明るくなる。5組に分かれて午前9時にティオフ。スタート時は若干緊張の色が見られたが、2時間後に練習場に戻ってきた時にはすっかり打ち解けている様子だった。

国内男子ツアーでは、沖縄で試合が行われるのは本大会のみ。年に1度の機会に毎年応募が殺到し、今年も15人の枠はあっという間に埋まった。「沖縄はゴルフの環境もいいですし、こういったイベントでプロを目指す子が増えてくれれば」という主催者の願い通り、中々ない機会に、プロの指導に熱心に耳を傾ける子どもたち。「僕ら予選に落ちた選手の中でこういうことができて、次世代をいかに育てていけるかが大事。少しでも貢献できればと思います」と石川。練習場でもミッチリ1時間ほど指導を行っていた。全員が解散したのは12時30分を回った頃。およそ3時間半の豪華なイベントとなった。

他の試合でもジュニア向けのイベントは度々行われているが、ラウンドを一緒に回って、練習場でも指導を受けて…という形態は中々ない。「“沖縄といえばこういう試合”というのがひとつあると、沖縄のゴルフ業界にはプラスだと思います」と語った嘉数。

自身の父が沖縄でゴルフアカデミーの講師を務めており、そのスクール生も数人参加していた。「小学生でゴルフをやっている子は結構いるんですけど、中高生になるとガクっと減っている感じがありますね。藍ちゃん、遼くんブームがあって増えたけど、中高生までやってブームが去って行くと、成績が出ている子や、本当に好きじゃない子でないと残らないのかもしれない」。今年は空前の“渋野日向子”ブームでゴルフ界に注目が集まっているが、実際に間近でプロのすごさに触れて、憧れを持ってもらうことが今後につながる。

レッスンの合間にも、雑談をしたりボールリフティングに挑戦したり、クラブを見せ合ったりと交流を楽しんでいた3時間半。子どもたちにとっては、一生の宝物になっただろう。(文・谷口愛純)
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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