国内版Galaxy Note 10+実機レビュー、大満足だが電池持ちが課題か(石野純也)
フォルダブルスマホの「Galaxy Fold」が鳴り物入りで日本に上陸したため、すっかり影に隠れてしまった感はありますが、筆者は「Galaxy Note10+」のドコモ版を購入しました。発売から2週間強、使い続けてきましたが、今回は、そのインプレッションをお届けします。
言わずもがなですが、Galaxy Note10+は、サムスン電子のフラッグシップモデル。春に向けて発表されるGalaxy Sシリーズに対し、大画面とSペンを売りにした秋冬モデルがGalaxy Noteシリーズになります。
8月の発表時に本サイトでもお伝えしたように、Galaxy Note10シリーズは、コンパクト版のGalaxy Note10と、従来路線を継承したGalaxy Note10+の2機種が発売されています。日本には、後者のGalaxy Note10+のみが導入された格好です。
▲発売日に入手したGalaxy Note10+。筆者はドコモ版を購入
従来路線を継承と言いつつも、ディスプレイサイズは6.8インチまで拡大しています。元々大画面だったGalaxy Noteシリーズですが、ザックリ言うと、縦にサイズを伸ばしつつ、ベゼルを細くすることで、世代を重ねるごとにディスプレイサイズを稼いできました。
先代のGalaxy Note9とGalaxy Note10+を比較すると分かりやすいかもしれませんが、この世代では、上下のベゼルがさらに細くなり、インカメラがついにディスプレイ内に配置されるようになりました。6.8インチというサイズは、これで実現しているわけです。
そのため、ディスプレイサイズほどは、筐体が大型化していません。手に取ったときに"しっくりくる"のは、Galaxy Noteシリーズの許容範囲にサイズが収まっているからでしょう。前面、背面ともに左右がカーブしているため、手にフィットしやすいのもその理由です。
SシリーズのGalaxyと比べ、角ばったデザインですが、ノート由来の名称のため、これも納得感があります。一方で、このデザインゆえに、片手持ちしたとき、少々指が動かしにくいのは難点。右手で持ったとき、左下が少々押しづらく、手のひらが右下に当たってしまい、アプリが反応してしまうことがあります。
▲前面、背面ともにエッジが柔らかくカーブしていることもあり、フィット感はいい
この辺の操作性は、アプリの作りによるところが大きいのですが、なんとなく、Twitterアプリを起動した際に、誤操作が多いような気がしています。
ボタンがずらっと下部に配置されているため、タイムラインを読もうとすると、間違ってダイレクトメッセージを開いてしまうことが何度かありました。
とは言え、Android向けのアプリを端末ごとに作り込むのはさすがにできないことは想像に難くありません。逆に、通知は画面下部をスワイプするだけで表示できたり(要設定)、標準搭載の「One UI」は下部にタッチできるボタンやメニューを集中させたりと、片手操作への配慮は十分されています。
▲アプリによっては、手のひらがボタンに当たってしまうことも......
▲One UIはタッチできる項目が画面下部に配置され、片手でも操作しやすい
次にSペンですが、相変わらず書き味は良好。そのスムーズさはApple Pencilと張り合えるほどです。ベースとなるスペックが底上げされたこともあるのか、筆者が以前使っていた「Galaxy Note8」と比べても、追従性がよくなっている印象があります。厳密に比較したわけではなく、プラシーボ効果かもしれませんが......。
筆者はiPad Proも愛用しているため、これでスマホもタブレットもペン対応したことになります。それぞれ利用シーンが異なるため、共存できるのも特徴。たとえば、同じ取材でも立ちながらメモをするときはGalaxy Note10+、座って校正するときはiPad Proと使い分けが可能です。ペン入力派にとっては、iPhoneとiPad以上にいい組み合わせかもしれません。
▲Sペンの書き心地は抜群にいい
ただ、手書きの文字を読み取ってフォントに変換する機能は、まだまだ改善が必要。認識精度が高い一方で、走り書きのように書いた文字は、当然のように読み取ってくれません。字が下手なせいで読み取ってくれないのはいいとしても、変換が1行1行というのは少々面倒。メモを一括で変換してくれる機能があっても、いいのではないでしょうか。
また、SペンにはBluetoothや加速度センサーが搭載されており、ゼスチャー操作もできますが、これも今のところ活用できていません。本体を立てかけられるなら、もう少し使いどころはありそうですが、裸族には辛いところ。対応アプリが少ないこともあり、なかなか出番がありません。
▲前回の楽天モバイル電波調査で取ったメモを変換してみたが、走り書きのため、認識率は五分五分といったところ
▲ジェスチャー操作の「エアアクション」も、今ひとつ使いどころがない
カメラに関しては、トレンドをしっかり押さえています。Galaxy Note10+は、超広角、広角、2倍望遠のトリプルカメラに、距離を測定するToFカメラも搭載。iPhone 11シリーズでも散々話題になりましたが、ダイナミックな画角で風景を切り取ることができる超広角カメラは、出番が多い印象。風景を撮るときなどに、ついつい超広角に切り替えてしまいたくなります。
ユーザーインターフェイスに関しては、2つないしは3つのカメラをシームレスに連携させたiPhoneに軍配が上がりますが、画質は負けず劣らずといったところ。ナイトモードを超広角で利用できるところなどについては、さすがGalaxyと言えそうです。
▲トリプル+ToFのクアッドカメラ構成
▲上から超広角、標準、望遠カメラ
▲日常の何気ない景色も、超広角で撮ると迫力が増して見える
▲ToFを搭載したおかげもあり、背景ボカシが正確
▲ナイトモードで撮ると、きらびやかな夜を捉えることが可能
望遠側も、ハードウェアとしては2倍ズームですが、8倍程度までデジタルズームをかけても、比較的画質は高い状態で撮影できます。
AIでズームを強化したPixel 4と比較しても、かなりいい勝負。とは言え、荒れることは荒れるため、仕事で使うにはちょっと厳しいなといった印象。ズームにこだわるのであれば、超高倍率ズームを誇るファーウェイの「P30 Pro」やOPPOの「Reno 10x Zoom」といった選択肢があるため、そちらを検討してもいいでしょう。
▲8倍までズームしてみたが劣化が少ない。10月22日に掲載されたPixel 4の作例と比較しても、そん色ないレベル
過去モデルとの差分という点では、指紋センサーがディスプレイ内部に移動したのも、大きなトピックです。Galaxy Note9では指紋センサーが背面にありましたが、やはり前面にあった方が、机やテーブルの上に置いたとき、自然にロック解除できます。画面が消灯した状態でも、指紋センサーの位置に指を置くと、そのままロックを解除できます。
ただ、表示がないと、どうしても指を置く位置がずれてしまいます。このようなときに活躍するのが、Always On Display。これを設定しておくと、常時画面に指紋マークが表示されるため、ロックの解除がスムーズになります。
消費電力とトレードオフになるため、設定しておくかどうかは悩ましいポイントですが、筆者は室内で充電が容易なときだけ、オンにしておくようにしました。Always On Displayは指定した時間だけオンにすることが可能ですが、場所に応じて設定を変更したいときは、Galaxy S10シリーズから実装された「Bixby Routine」を使うと便利です。
▲Always Onを設定しておくと、画面内指紋センサーの場所が分かり、タッチしやすい
▲消費電力の関係で、家や事務所でのみ、Always Onをオンにするようにしている
サクサク感もよく、Sペンも便利で、カメラもキレイで便利機能も満載と、非常に高評価なGalaxy Note10+ですが、バッテリーの持ちだけはもう少しなんとかならんものか......と思っています。
比較対象が機種変前に使っていた「P20 Pro」や、並行して利用している「iPhone 11」だからかもしれませんが、Galaxy Note10+は、使っていると、みるみるうちにバッテリーの残量が減っていきます。
▲バッテリーの減り方が速い印象を受けた
パワフルな端末で、メモリ(RAM)も12GBと大容量なためか、燃費はあまりよくない印象。スリープ中も結構な割合でバッテリーが減っているため、省電力性能は要改善と言えるかもしれません。先に挙げたAlways On Displayを常時使用するのをためらっているのも、この辺が原因です。
とは言え、元々が4300mAhとバッテリーは大容量。ある程度節約しながら使えば、朝の出社から帰宅までの間は、十分使うことができます。USB PDの充電は最大45Wに対応しているため、対応しているチャージャーを使えば、すぐに満充電まで持っていけるのもうれしいポイント。まだ使い始めて2週間ですが、かなり満足度の高い端末と言えそうです。
言わずもがなですが、Galaxy Note10+は、サムスン電子のフラッグシップモデル。春に向けて発表されるGalaxy Sシリーズに対し、大画面とSペンを売りにした秋冬モデルがGalaxy Noteシリーズになります。
▲発売日に入手したGalaxy Note10+。筆者はドコモ版を購入
従来路線を継承と言いつつも、ディスプレイサイズは6.8インチまで拡大しています。元々大画面だったGalaxy Noteシリーズですが、ザックリ言うと、縦にサイズを伸ばしつつ、ベゼルを細くすることで、世代を重ねるごとにディスプレイサイズを稼いできました。
先代のGalaxy Note9とGalaxy Note10+を比較すると分かりやすいかもしれませんが、この世代では、上下のベゼルがさらに細くなり、インカメラがついにディスプレイ内に配置されるようになりました。6.8インチというサイズは、これで実現しているわけです。
そのため、ディスプレイサイズほどは、筐体が大型化していません。手に取ったときに"しっくりくる"のは、Galaxy Noteシリーズの許容範囲にサイズが収まっているからでしょう。前面、背面ともに左右がカーブしているため、手にフィットしやすいのもその理由です。
SシリーズのGalaxyと比べ、角ばったデザインですが、ノート由来の名称のため、これも納得感があります。一方で、このデザインゆえに、片手持ちしたとき、少々指が動かしにくいのは難点。右手で持ったとき、左下が少々押しづらく、手のひらが右下に当たってしまい、アプリが反応してしまうことがあります。
▲前面、背面ともにエッジが柔らかくカーブしていることもあり、フィット感はいい
この辺の操作性は、アプリの作りによるところが大きいのですが、なんとなく、Twitterアプリを起動した際に、誤操作が多いような気がしています。
ボタンがずらっと下部に配置されているため、タイムラインを読もうとすると、間違ってダイレクトメッセージを開いてしまうことが何度かありました。
とは言え、Android向けのアプリを端末ごとに作り込むのはさすがにできないことは想像に難くありません。逆に、通知は画面下部をスワイプするだけで表示できたり(要設定)、標準搭載の「One UI」は下部にタッチできるボタンやメニューを集中させたりと、片手操作への配慮は十分されています。
▲アプリによっては、手のひらがボタンに当たってしまうことも......
▲One UIはタッチできる項目が画面下部に配置され、片手でも操作しやすい
Sペンの書き心地はApple Pencilと張り合えるレベル
次にSペンですが、相変わらず書き味は良好。そのスムーズさはApple Pencilと張り合えるほどです。ベースとなるスペックが底上げされたこともあるのか、筆者が以前使っていた「Galaxy Note8」と比べても、追従性がよくなっている印象があります。厳密に比較したわけではなく、プラシーボ効果かもしれませんが......。
筆者はiPad Proも愛用しているため、これでスマホもタブレットもペン対応したことになります。それぞれ利用シーンが異なるため、共存できるのも特徴。たとえば、同じ取材でも立ちながらメモをするときはGalaxy Note10+、座って校正するときはiPad Proと使い分けが可能です。ペン入力派にとっては、iPhoneとiPad以上にいい組み合わせかもしれません。
▲Sペンの書き心地は抜群にいい
ただ、手書きの文字を読み取ってフォントに変換する機能は、まだまだ改善が必要。認識精度が高い一方で、走り書きのように書いた文字は、当然のように読み取ってくれません。字が下手なせいで読み取ってくれないのはいいとしても、変換が1行1行というのは少々面倒。メモを一括で変換してくれる機能があっても、いいのではないでしょうか。
また、SペンにはBluetoothや加速度センサーが搭載されており、ゼスチャー操作もできますが、これも今のところ活用できていません。本体を立てかけられるなら、もう少し使いどころはありそうですが、裸族には辛いところ。対応アプリが少ないこともあり、なかなか出番がありません。
▲前回の楽天モバイル電波調査で取ったメモを変換してみたが、走り書きのため、認識率は五分五分といったところ
▲ジェスチャー操作の「エアアクション」も、今ひとつ使いどころがない
ズームもPixel 4と遜色なし
カメラに関しては、トレンドをしっかり押さえています。Galaxy Note10+は、超広角、広角、2倍望遠のトリプルカメラに、距離を測定するToFカメラも搭載。iPhone 11シリーズでも散々話題になりましたが、ダイナミックな画角で風景を切り取ることができる超広角カメラは、出番が多い印象。風景を撮るときなどに、ついつい超広角に切り替えてしまいたくなります。
ユーザーインターフェイスに関しては、2つないしは3つのカメラをシームレスに連携させたiPhoneに軍配が上がりますが、画質は負けず劣らずといったところ。ナイトモードを超広角で利用できるところなどについては、さすがGalaxyと言えそうです。
▲トリプル+ToFのクアッドカメラ構成
▲上から超広角、標準、望遠カメラ
▲日常の何気ない景色も、超広角で撮ると迫力が増して見える
▲ToFを搭載したおかげもあり、背景ボカシが正確
▲ナイトモードで撮ると、きらびやかな夜を捉えることが可能
望遠側も、ハードウェアとしては2倍ズームですが、8倍程度までデジタルズームをかけても、比較的画質は高い状態で撮影できます。
AIでズームを強化したPixel 4と比較しても、かなりいい勝負。とは言え、荒れることは荒れるため、仕事で使うにはちょっと厳しいなといった印象。ズームにこだわるのであれば、超高倍率ズームを誇るファーウェイの「P30 Pro」やOPPOの「Reno 10x Zoom」といった選択肢があるため、そちらを検討してもいいでしょう。
▲8倍までズームしてみたが劣化が少ない。10月22日に掲載されたPixel 4の作例と比較しても、そん色ないレベル
過去モデルとの差分という点では、指紋センサーがディスプレイ内部に移動したのも、大きなトピックです。Galaxy Note9では指紋センサーが背面にありましたが、やはり前面にあった方が、机やテーブルの上に置いたとき、自然にロック解除できます。画面が消灯した状態でも、指紋センサーの位置に指を置くと、そのままロックを解除できます。
ただ、表示がないと、どうしても指を置く位置がずれてしまいます。このようなときに活躍するのが、Always On Display。これを設定しておくと、常時画面に指紋マークが表示されるため、ロックの解除がスムーズになります。
消費電力とトレードオフになるため、設定しておくかどうかは悩ましいポイントですが、筆者は室内で充電が容易なときだけ、オンにしておくようにしました。Always On Displayは指定した時間だけオンにすることが可能ですが、場所に応じて設定を変更したいときは、Galaxy S10シリーズから実装された「Bixby Routine」を使うと便利です。
▲Always Onを設定しておくと、画面内指紋センサーの場所が分かり、タッチしやすい
▲消費電力の関係で、家や事務所でのみ、Always Onをオンにするようにしている
バッテリーの持ちには不満
サクサク感もよく、Sペンも便利で、カメラもキレイで便利機能も満載と、非常に高評価なGalaxy Note10+ですが、バッテリーの持ちだけはもう少しなんとかならんものか......と思っています。
比較対象が機種変前に使っていた「P20 Pro」や、並行して利用している「iPhone 11」だからかもしれませんが、Galaxy Note10+は、使っていると、みるみるうちにバッテリーの残量が減っていきます。
▲バッテリーの減り方が速い印象を受けた
パワフルな端末で、メモリ(RAM)も12GBと大容量なためか、燃費はあまりよくない印象。スリープ中も結構な割合でバッテリーが減っているため、省電力性能は要改善と言えるかもしれません。先に挙げたAlways On Displayを常時使用するのをためらっているのも、この辺が原因です。
とは言え、元々が4300mAhとバッテリーは大容量。ある程度節約しながら使えば、朝の出社から帰宅までの間は、十分使うことができます。USB PDの充電は最大45Wに対応しているため、対応しているチャージャーを使えば、すぐに満充電まで持っていけるのもうれしいポイント。まだ使い始めて2週間ですが、かなり満足度の高い端末と言えそうです。