「任天堂が「E3 2019」で発表した(しなかった)3つの重要なこと」の写真・リンク付きの記事はこちら

世界最大のゲーム見本市「E3 2019」が開催され、さまざまなニュースが舞い込んできている。なかでも任天堂のプレゼンテーションからは多くのニュースがもたらされた。

1)「ゼルダ」新作の発表

E3で最初にもたらされた大きなニュースは、任天堂が「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」の続編の製作にすでにとりかかっているという発表だった。このショーで任天堂が発表したティザー映像において興味深いのは、前作からトーンが大きく変わっていることである。

ゼルダとリンクが不気味な地下の穴ぐらで、何らかの禁じられたテクノロジーと、はるか昔に死んだ王族の骸骨から放たれるエネルギー源へと近づいている。そこで何かが起こり、リンクが傷を負ったように見える。そして、そのあとは……? 次に何が起きるのかは、知るよしもない。

一見すると、この続編は前作の流れを受け継いでいるようだが、不気味さが増しているようにも見える。それはゼルダの世界ではごく普通のことではない。また、より活発になったプリンセスには、わくわくさせられる。リンクが負傷している可能性があるなら、なおさらだ。プレイしやすいゼルダ? おそらく、そうはならないだろう。しかし、その可能性はゼロではない。

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2)「どうぶつの森」新作に関する2つの知らせ

楽しい動物たちが住み、完璧に飾り付けられた家のある静かな村は好きだろうか? もしそうなら、あなたはおそらく「どうぶつの森」の次回作を待ち望んでいることだろう。

そこで、ちょっと聞いてほしい。いいニュースと、悪いニュースがある。いいニュースは、このゲームのタイトルが「あつまれ どうぶつの森」になったこと。悪いニュースは、その発売が2020年3月20日に延期されたことである。

最も興味深いのは発売の遅れ自体ではない。任天堂が延期の理由について、「危機的状態を回避するため」としたことである。ニンテンドー・オブ・アメリカ社長のダグ・バウザーはIGNの取材に対し、この遅れに関して次のように語っている。

「わたしたちにとって重要な信条のひとつは、人々を笑顔にするということであり、わたしたちは常にそのことについて話をしています。それが任天堂のヴィジョンであり、ミッションであるとも言えます。そして、それは社員に対しても当てはまるもので、良好なワーク・ライフ・バランスを確保する必要があるのです」

企業が危機的な状態について公に話すのは、あまり普通のことではない。ましてやゲームの開発が遅れている原因として、仕事の量を減らそうとしているなどと言うのは極めて珍しい。今後もこうした率直な話が聞けるのか、動向を見ていきたい。

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3)スイッチの新モデルは発表されず

今年のE3で最も驚いた任天堂のニュースは、「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」の新モデルが発表されなかったことだろう。新モデルは今年登場すると噂されていたにもかかわらず、パワーアップされたSwitch、または小型化された携帯モデルのどちらについても、それをほのめかすような話はどこにも見当たらなかった。

念のため言っておくが、新モデルの登場がなくなったという意味ではない。ただ、おそらくファンが今年中、あるいは少なくともホリデーシーズン前に新モデルを目にすることはなくなったということだろう。

おまけ)“出禁”になった配信者

最後にゲーム業界らしく、ばかげたニュースで締めくくろう。Twitchの人気ストリーマー(配信者)である「Dr.Disrespect」[編註:Disrespectは「無礼な」の意味]が、E3会場のトイレから配信を行なった。ゲーム関連の情報サイト「Kotaku」にると、彼はトイレの小便器を使う人々と自分自身の映像をシェアしたのだ。当然ながら、すぐにTwitchとE3の両方から利用停止処分を受けた。会期内に耳にしたなかで“最高”のニュースだろう。