ライバル市立船橋を下して2年連続全国行きを決めた流経大柏【写真:平野貴也】

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選手権千葉県大会決勝、ライバル市立船橋を2-0で撃破

 第97回全国高校サッカー選手権の千葉県大会は、18日にフクダ電子アリーナで決勝を行い、流経大柏が2-0で市立船橋を破って2年連続6度目の全国大会出場を決めた。流経大柏は、2007年度に大前元紀(大宮)らを擁して初優勝、昨年度に準優勝を果たしている強豪だが、ともに日本一を狙うライバルの市立船橋と県内で全国切符を争わなければならず、これまで2年連続で全国大会に出場したことは、なかった。卒業後にJリーグの鹿島アントラーズへ加入するDF関川郁万(3年)は「流経初の2年連続(全国)出場で、嬉しい」と笑顔を見せた。

 試合は、互角の立ち上がりから先制点を得た流経大柏が、強固な守備力を発揮して勝利を手繰り寄せる展開となった。流経大柏は前半14分に得た右コーナーキックで、低いパスをゴール前に供給。前線で体を張ったプレーを見せていたFW左部開斗(3年)のシュートはGKに防がれたが、こぼれ球を拾ったMF熊澤和希(3年)が左ポストを叩いてゴールに飛び込むシュートを決めて先制した。対する市立船橋は、佐藤圭祐と西堂久俊(ともに3年)のツートップの破壊力を生かす攻撃を仕掛けたが、リードを得て守備に重点を置く流経大柏を崩し切れず、関川らに阻まれてシュートを打てなかった。

 後半に入ると、市立船橋は快足を誇る右ウイングバックの松尾勇佑(3年)が豪快な突破を仕掛けて何度もビッグチャンスを生み出したが、決定機で空振りが生まれるなどシュートが決まらなかった。試合終盤に入ると、苦しい時間帯を乗り越えた流経大柏が左サイドで相手のバックパスを奪い、クロスを途中出場の岡本竜(3年)がヘディングで決めて追加点をマーク。勝敗を決定付けた。

主将DF関川は新戦力の台頭歓迎「下級生には、物怖じしない良さがある」

 勝った流経大柏は、夏の悔しさを、冬の最終ステージにぶつける。特に台頭が著しい下級生の勢いは、要注目だ。本田裕一郎監督は「例年、1年生を起用するのは夏を過ぎてからだけど、今年の1年生は元気が良いので、夏の前から使い始めている」と話した。インターハイでは、県大会の準決勝で習志野高校に敗れて全国大会出場を逃したが、その試合でも後半から下級生を4人同時に投入する交代策を用いており、下級生の積極起用が目立つ。この日の市立船橋戦でも1年生3人(FW森山一斗、DF藤井海和、GK松原颯汰)がセンターラインで起用され、ボランチは藤井と2年生の八木滉史の下級生コンビが先発した。

 県大会の全4試合で得点を挙げた熊澤は「下級生が良い。うまくチームに溶け込ませて連係して全員で勝ちに行きたい。ちょっと危ないと思う場面もあるけど、みんなでカバーする」と話し、主将の関川も「下級生には、物怖じしない良さがある」と新戦力の台頭を歓迎した。戦力層を増した流経大柏が狙うのは、日本一。前回大会でわずかに届かなかった頂に再挑戦する。(平野 貴也 / Takaya Hirano)