中国メディアは、今中国で話題となっている柴犬「登登(デンデン)」に関する記事を掲載した。デンデンは現在、ネットオークションにかけられており、SNSで拡散され注目を浴びているという。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国では今、空前のペットブームを迎えており、現在は1億5000万ものペットが飼われているとも言われている。高級なペットはメンツを愛する中国人にとっては「ステータス」の側面もあり、知識と覚悟がないまま飼い始めて途中で飼育放棄してしまう飼い主が多いのも事実だ。中国メディアの今日頭条はこのほど、今中国で話題となっている柴犬「登登(デンデン)」に関する記事を掲載した。デンデンは現在、ネットオークションにかけられており、SNSで拡散され注目を浴びているという。

 記事はデンデンの写真を掲載しているが、小柄なデンデンは4歳の柴犬のオスで、愛くるしい外見をしている。日本を代表する犬種である柴犬は中国人の間でも人気が高い。そんな柴犬のデンデンがなぜネットオークションにかけられているのだろうか。

 これは北京の裁判所の決定によるという。記事では詳しく触れていないが、デンデンの飼い主は愛護センターに預けた後消息を絶ち、飼い主を提訴したセンターに対して北京の裁判所が動産としてオークションにかけるよう指示したとの報道もある。

 記事によると、この一風変わった判決とデンデンの話がネットを通じて伝わり、現在10万人のフォロワーがオークションの行方を注目しているという。さらに、情報が公開されたのは10月25日で、入札の申込期限は11月10日、最低落札価格は500元(約8000円)となっており、50元(約800円)を支払って入札に申し込みした人は1000人以上に達している。

 記事の中国人筆者は、「オークションにかけるなんて」と犬の不遇を嘆いているが、実際にセンターまで赴きデンデンに会い、さらにセンターの職員と交流したことで多くの人がデンデンに関心を寄せていることを知り安堵したようだ。裁判所の判決があるため通常の譲渡はできないが、センターにはメディアや犬好きの中国人が訪問し、飼いたいと申し出る人もかなりいるという。

 写真を見る限り、柴犬・デンデンは犬好きの職員に遊んでもらうなどして可愛がられているようだ。日本の愛護センターの場合、譲渡には厳しい条件をクリアする必要があり、このようなオークションという方法で理想的な飼い主に巡り合えるのか心配ではあるが、今はただデンデンの幸せを願うのみだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)