教室から追い出された男子児童(画像は『ABC News 2018年10月19日付「South Carolina elementary school teacher fired after video shows her kicking 11-year-old student」』のスクリーンショット)

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一昔前は、言うことを聞かない罰として教師が生徒を廊下に引っ張って立たせたり頭を軽く叩くなどのいわゆる“体罰”が学校内では暗黙の了解となっていたが、どこの国でも児童虐待が絶えない昨今では、教師のそのような行為ひとつが大きな社会問題となり得る。しかしこのほどアメリカで、ひとりの女教師が態度の悪い児童を蹴って教室から追い出す行為が学校内の廊下に設置された監視カメラに捉えられた。『ABC News』『KUTV』などが伝えている。

10月4日、サウスカロライナ州バークレー郡にあるグースクリーク小学校の校内に設置された監視カメラが、教室から追い出される11歳の男子児童の姿を捉えた。廊下に設置された監視カメラには、開いた教室のドア付近に座り込む児童が映し出されており、その男児のものと思われるリュックが外に放り投げられた。続いて、リュックを掴む男子児童は教師の足で蹴られドアの外へと追いやられた。男子児童は立ち上がって教室に入ろうとするも、教師にドアの鍵をかけられてしまい完全に教室から締め出されてしまった。

男子児童を足蹴にしたのは女教師のティエラ・ウォーカーで、児童らの話によるとウォーカーは授業を邪魔したこの男子児童を、他の児童らの前で椅子から引きずり降ろし、その体を引っ張って廊下に追い出したという。グースクリーク警察の調べでは、男子児童が動物の鳴き声を真似るなどして授業を妨害したために、ウォーカーが教室から出て行くように命じたが、男子児童はそれを拒否。そこで、ウォーカーが映像に映し出されていた行為に及んだということが明らかになった。

男子児童の母親は警察に、息子に暴行を働いたウォーカーを告発したい旨を伝えたが、この件について警察は暴行事件として取り扱わず、ウォーカーは逮捕には至っていない。しかしバークレー郡学区のスポークスパーソン、ケイティー・タナーさんはウォーカーを学区から解雇したことを明らかにしている。

この映像を見てショックを受けた地域の親たちからは、「何があったのか詳細がわからないからどちらも責められない。でも教師にも(他に)何らかの対応法があったはずでは」「自分の子供がこんなふうに暴力を振るわれたらやっぱり許せない」といった声があがっている。アメリカではつい先週も、ケンタッキー州で立つことを拒否した自閉症を抱える11歳の児童を教室から無理やり連れ出して、廊下や階段を引きずりながら移動させた教師が問題になり、解雇されている。

画像は『ABC News 2018年10月19日付「South Carolina elementary school teacher fired after video shows her kicking 11-year-old student」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)