殺処分された犬の1割超が「血統種」…NGO「ペット業者にも責任」規制強化を要望
動物の保護活動をおこなっているNGO「Life Investigation Agency」(LIA)は10月11日、2017年度の犬猫種別の収容数・殺処分数を集計した調査結果を発表した。犬に関しては、ミニチュア・ダックスフンドやトイ・プードルなど、純血種の収容数や殺処分数が目立つことから、同団体は「繁殖業者や販売業者にも責任がある」として、近く予定されている動物愛護法改正で、業者規制を強化するようもとめている。
LIAは2018年4月から7月にかけて、全国の保健所や愛護動物センターなど約120カ所にメールで問い合わせたり、情報公開請求をおこなったりして、収容数や殺処分数を調べた。その結果、犬の収容数は計3万8038頭、そのうち計1万890頭(約28.6%)が純血種だった。また、殺処分された計8113頭のうち計1002頭が純血種(約12.4%)だった。
正確な判別がされずに、一部の純血種が雑種として計上されている施設もあるという。それでも、柴犬やミニチュア・ダックスフンド、トイ・プードル、チワワなど純血種の収容数や殺処分数が少なくないことから、同団体は「繁殖業者や販売業者から流通したペットの飼育放棄が多発して、施設に持ち込まれている」と指摘している。
現在、全国の自治体で、犬猫の「殺処分ゼロ」を旗印とした運動が展開されているが、LIA代表のヤブキレン氏によると、民間の動物保護団体による負担が大きくなっているという。ヤブキ氏はこの日、都内で開いた記者会見で「繁殖された純血種が殺されている。繁殖業者や販売業者が、その責任を負うようにしていかないと、収拾がつかなくなる」と話した。
●国会議員に請願書提出動物愛護法をめぐっては、この秋の臨時国会以降、改正案が提出される予定となっている。LIAは10月上旬、今回の調査結果の発表に先がけて、繁殖業者や販売業者に対する規制強化をもとめる請願書を国会議員に提出している。
収容数や殺処分数を大幅に減らすために、(1)繁殖業者や販売業者の情報が明記された書類と対になった状態でしか販売・流通できない仕組みをつくること、(2)その動物が処分施設にもちこまれた場合、繁殖業者にもどす仕組みをつくること――を改正法に盛り込むことをもとめている。
(弁護士ドットコムニュース)