森保一監督(撮影:岸本勉/PICSPORT)

写真拡大

4日、森保一監督は12日パナマ戦、16日ウルグアイ戦に向けた日本代表23人を発表した。

9月のメンバーから車屋紳太郎、植田直通、天野純、守田英正、伊藤達哉、柿谷曜一朗が外れ、長友佑都、吉田麻也、酒井宏樹、原口元気、柴崎岳、大迫勇也が招集された。また、前回は負傷で辞退した山口蛍、大島僚太は招集されなかった。

森保監督が挙げたテーマは2つ、「チーム作り、成長、コンセプトの浸透」「選手の特徴やコンディションの把握、チームの融合のチェック」だった。特に目を引くのは「融合」の部分で、そのために今年のワールドカップに出場した6人が招集されている。

その一方で、森保監督はヴァイッド・ハリルホジッチ監督との大きな違いを見せた。それは柴崎を招集したこと。今季のスペインリーグで、柴崎は7節のうち、4節の62分に投入されただけ。プレーの機会を失っている。

ハリルホジッチ監督は「自分のチームでレギュラーとして出ること」を招集の条件としていた(後にこの原則は覆された)。そうなると柴崎は、ワールドカップで素晴らしいプレーを見せて実力を証明したにもかかわらず、またしばらく日本代表での場所を失ってしまうことになる。

森保監督はあえて手元でもう一度プレーを確認し、コンディションを判断することにした。これは諸事情でポジションを失っている選手にとって、大きなモチベーションになるはずだ。また、選手のカテゴリーがJ2であったとしても、いいプレーをすれば招集するとも明言し、多くの選手が奮起する枠組みは作った。

一方で森保監督は、人がよく甘いだけの監督というわけではない。ワールドカップメンバーだった植田を、前回は召集したものの、プレーさせずに今回はリストから外した。前回、植田に「なぜ使わなかったか」という説明もなかったという。

この非情に見える選手選考は、今回招集されたベテラン勢にも緊張を与えるだろう。彼らにも決して多くのチャンスが残されているわけではない。

【森雅史/日本蹴球合同会社】