Apple Watch Hermès購入。Series 4であえてエルメスを選んだ理由とは:週刊モバイル通信 石野純也
iPhone XSやXS Maxの陰に隠れてしまいがちですが、今年はApple Watchも要注目です。初代から続いていたデザインが刷新され、ディスプレイも両サイズで3割ほど大型化されたなど、進化の幅が大きいからです。

Apple WatchはSeries 2でFeliCaに、Series 3でeSIMに対応するなど、モデルチェンジごとに大きなトピックがありましたが、デザインに手をつけたのは初めてのこと。薄型化も果たし、よりスタイリッシュなウェアラブル端末になりました。

そんな中、筆者も発売当日にSeries 4を購入。選んだのは、Apple Watch Hermèsです。
ご存知のとおり、Apple Watch Hermèsは、老舗ラグジュアリーブランドであるエルメスとのコラボモデル。革製品に定評のあるエルメスとの協業だけに、レザーバンドはもちろんエルメス製ですが、文字盤も専用のものがプリインストールされており、通常モデルとは厳然とした差があります。

もちろん、パッケージもエルメス仕様。Apple Storeだけでなく、エルメスの一部店舗でも購入できます。

▲エルメスの店頭で購入しようとしたところ、予約分で完売に。その後、すぐにApple 表参道に向かって無事に入手できた

まずは開封の儀から。パッケージはさすがのコラボモデルらしく、豪華の一言。これぞエルメスといえるオレンジがまぶしい外箱の中には、本体とレザーバンド、それぞれの箱が収められており、本体だけでなく、レザーバンドも厚めのファブリックで保護されています。本体側の箱の中には、アップル製品でおなじみの「Designed by Apple in California」に筆記体で「&Hermès in Paris」とつけ加えたクレジット入りの紙ケースも入っており、気分が高まります。


▲一番上が外箱。本体とバンドそれぞれの箱が入っていた


▲本体の箱を開けると、「Designed by Apple in California & Hermès in Paris」の文字が



▲バンド側の箱には、ファブリックに包まれたレザーバンドが収められている

このレザーバンドとは別に、本体側にはエルメス仕様のスポーツバンドも。レザーバンドは汗などの水分に弱いため、エクササイズする際に付け替えてくださいという心遣いでしょう。このスポーツバンドもポップな印象で、プリインストールの文字盤にマッチします。単体では購入できないこともあって、Apple Watch Hermèsの付加価値といえそうです。


▲本体側の箱には、エルメス専用スポーツバンドが同梱。これもレアだ

筆者は、シンプルで誰にでも合いやすい定番モデルの「シンプルトゥール」を選択しました。一見すると、どこにでもありそうなブラウンのレザーバンドですが、そこはやはりエルメス。しっかりとなめした革にはしっとりとした艶があり、装着してみると、肌に吸い付くような感覚を覚えます。

現時点では廃番になっていますが、アップル純正のレザーバンドにもブラウンがありました。それと比べてみると品質の違いは一目瞭然。アップル製品も悪くはありませんでしたが、やはり餅は餅屋で、圧倒的にエルメス製の方が装着感はよかった記憶があります。実際、純正のレザーバンドはすぐに使わなくなってしまいました。


▲1年間使ったシンプルトゥール。ループ部分がやや黒ずんでいるが、しっとりとした質感は健在


▲バックル部分にはエルメスの刻印が

では、なぜ筆者がApple Watch Hermèsを選んだかというと、理由はApple Watch Series 3にさかのぼります。普段から機械式の腕時計をつけている筆者は、Apple Watchも服装に合わせてバンドを付け替えていました。カラフルなスポーツバンドもいいのですが、やはり樹脂製のバンドは服装を選びます。オモチャ感覚でつけるのにはいいのですが、やはりメインはその名の通り、スポーツをしているときのものでしょう。

そんなわけで、もっぱら一軍として利用していたのが、上質感のあるミラネーゼループでした。ところが、ミラネーゼループには1つ問題が。冬になると金属の編み込みにニットが絡まってしまうことがあったのです。発売された9月以降は徐々に半そでの着用率も下がってきます。結果、レザーバンドをつけようと思うに至ったわけですが、純正のレザーバンドがどうもしっくりきません。そんなわけで最終的に選んだのが、エルメスのシンプルトゥールでした。価格は一気に跳ね上がってしまいましたが......。


▲Apple Watch Series 3では純正レザーバンドを試してみたものの、装着感がイマイチだった

Apple Watch Series 3はステンレススチールモデルを選び、バンドともマッチしていたのですが、これはこれで"なんちゃってエルメス"感が強く、せっかくなら文字盤もエルメスのものを......と思うようになります。確かに、Apple Watch Series 3のときは、38mmの本体が6万9984円。エルメスのバンドが4万2984円で、合計額は11万2968円と、Apple Watch Hermèsを買うよりリーズナブルです。

一方で、Apple Watch Series 4のエルメスモデルはシンプルトゥールの40mmで14万5584円と、両者の差額は約3万2000円。この差額で文字盤やエルメス専用のスポーツバンド、さらには豪華なパッケージが手に入るなら、最初からApple Watch Hermèsを買った方がいいと思うようになりました。本体がやや厚く、コロッとした印象だったApple Watch Series 3よりも、Apple Watch Series 4の方がシンプルなエルメスの文字盤が似合うと思ったのも、Apple Watch Hermèsを購入した理由です。

さて、せっかくのApple Watch Series 4ですが、売りの1つである新文字盤のINFOGRAPHは使っていません。ディスプレイが3割大きくなった特徴を生かせないことは分かりつつも、シンプルに時間と日付だけが分かるエルメスの文字盤をセットしています。Apple Watchの文字盤にさまざまな情報を表示させるのは確かに便利ではありますが、情報を最小限に絞って、通知確認やApple Payのツールとして使うのであれば、これで十分。


▲Apple Watch Hermès専用の文字盤。上はSeries 4で追加されたツートンカラーのもの


▲シンプルな文字盤で、時刻とコンプリケーション1個のみ

モバイルデータ通信も引き続き契約したため、スマホを持ち出したくない休日や、子どもを保育園に送るときなどは、これだけで外出もできます。近くのコンビニに行くときも、スマホなしでいいのは便利です。デジタルデトックスのツールとしてApple Watchを使うのであれば、INFOGRAPHのように情報をたくさん文字盤に表示させる必要もないでしょう。幸いにしてまだ発動していませんが、Apple Watch Series 4には転倒検知の機能もついているため、いざというときも安心です。

なお、高級感はある一方で、エルメスのレザーバンドは耐久性がそれほど強くありません。1年間エルメスのバンドを使ってきた経験からいうと、シミもつきやすいため、雨の日の利用や、汗をかきやすい暑い日の利用は、避けた方が無難です。TPOに合わせてバンドをつけかえるようにすると、長持ちするのでぜひ試してみてください。