夏休みの旅行を楽しむなら、そろそろチケットを予約しておきたい頃。景色や買い物、スポーツなど旅の目的はさまざまですが、最近ではワイナリーの見学など、お酒を目的にした旅行も流行っています。

旅行ライターのSannaさんも、そんな「ワインツーリズム」を楽しんできたひとり。
隠れたワイン大国・ブルガリアでみつけたおいしいものと、ワインを使ってつくるブルガリアの郷土料理「ワインケバブ」のつくり方を教えてくれました。

知られざるワイン大国・ブルガリアで、現地の料理を楽しんできました


ブルガリアと聞くとヨーグルトをイメージする方が多いと思いますが、じつは隠れたワイン大国。多くのワイナリーが点在し、テイスティングやワイナリーの見学を楽しむことができるんです。

さらに、豊かな自然と恵まれた気候で、おいしいものもたくさん! まだまだ知られていない、ブルガリア料理の魅力を紹介します。

●ウエルカム・ブレッド「POGACHA(ポガチャ)」


まずは、花模様が美しいウエルカム・ブレッドのポガチャ。首都ソフィアからクルマで4時間、ドナウ川沿いのワイナリー「BURGOZONE(ブルゴゾーネ)」でいただいたものです。

これはお客様を迎えるときに出される、おもてなしのパン。
ひとりずつ手づかみでパンをちぎり、チュブリッツァというパプリカや塩、ハーブなどが入ったミックス・スパイスをつけていただきます。ほかにも、ハチミツをつけて食べることも。


この「POGACHA(ポガチャ)」をサーブしてくれたお姉さんが着ているのは、ブルガリアの民族衣装。刺繍が施されていて、地方によりデザインも異なるそうです。

●ひき肉の炭火焼き「ケバプチェ」と、ブルガリアのハンバーグ「キュフテ」


こちらは、ひき肉の炭火焼き・ケバプチェ(左)と、ブルガリアのハンバーグ・キュフテ(右)。
首都ソフィアからクルマで3時間半、ハスコヴォにあるワインメーカー「ALEXANDRA ESTATE(アレクサンドラ・エステート)」でいただきました。


どちらもクミンが効いていてスパイシーな味わい。炭火で焼いているので、味が凝縮されておいしい!


さらにクルマで1時間ほど、アセノフグラッドの「CHATEAU ASENA(シャトー・アセナ)」まで足をのばしました。

地下に広がる、およそ1000バレルの熟成樽が並んだ様子は圧巻! ひんやりとした空間で、木の香りに癒されます。

ブルガリア料理「ワインケバブ」のつくり方

そんなおいしいものがたくさんあるブルガリアですが、とくにおいしいのが、ワインをたっぷり使った家庭料理。


ブルゴゾーネのビリアナさんに教えてもらった、肉と野菜をワインで煮込こむだけの簡単料理「ワインケバブ」を、日本に帰ってからつくってみました。

【材料(4人分)】


・豚肉肩ロースブロック 400g
・タマネギ 1個
・トマト 3個
・塩、コショウ(黒) 各適量
・パプリカパウダー 大さじ1
・赤ワイン 300cc
・水 500cc
・ローリエ 2枚
・小麦粉 30g
・トマトピューレ 大さじ3
・パセリ 適宜
・米 4カップ

【つくり方】


(1) 豚肉は一口大に切り、タマネギはみじん切りに、トマトは角切りにする。


(2) フライパンに油をしき、豚肉を炒め、タマネギ、トマトを入れ、タマネギが透明になるまで炒める。


(3) 塩、コショウ、パプリカパウダーを入れて、ワイン、水、ローリエを加え、中火で10分ほど煮込む。


(4) グツグツと煮えてきたら小麦粉を入れ、トマトピューレを加えて、弱火で10分煮たら完成!


(5) 皿に炊いたご飯をのせて、その周りにワインケバブをかけ、パセリを散らします。

一般的にはライスと一緒に食べますが、もちろんパンとも好相性。
レシピでは豚肉を使用しましたが、牛肉や鶏肉でもOKです。

ちなみに、お皿の下に敷いているクロスは、ブルガリアで購入したもの。かわいい刺繍グッズがたくさんそろっているんですよ。

今回、紹介したウエルカム・ブレッドのポガチャやバーベキューは、毎日ふるまわれているわけではありませんが、「ワインケバブ」なら日本にいても味わえます。
手に入りやすいワインで、ぜひつくってみてください。

【撮影・文/Sannaさん】
出版社勤務などを経てフリーのライターに。ムックやガイドブック、雑誌などに、旅や街歩きほか、グルメ、輸入住宅の記事を寄稿。これまで訪れた国は約65か国。著書に『スウェーデン 森に遊び街を歩く』、『バルト三国 愛しきエストニア、ラトビア、リトアニアへ』(ともに書肆侃侃房)などがある。ブログ『Sannaの旅ブログ』