2戦連続で不発に終わったメッシ。チームも窮地に追い込まれて大バッシングは避けられないか。 (C) Getty Images

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 前回大会のファイナリストが大ピンチだ。6月21日、ロシア・ワールドカップのグループD第2戦で、アルゼンチンがクロアチアに0-3と敗戦。早くも敗退危機の窮地に立たされたのである。

 初戦のアイスランド戦で引き分けに終わっていたアルゼンチンは、この試合で必勝を期して、システムも普段とは異なる可変的な3-4-2-1という攻撃的な陣形で臨んだ。しかし、「勝たなくてはいけない」というプレッシャーから焦りが生まれ、エースのリオネル・メッシをはじめとするアタッカー陣は噛み合わない。すると、自分たちのミスから先制点を許す。

 53分、味方からのバックパスを受けたGKのウィリー・カバジェロがまさかのミスキック。これを相手FWアンテ・レビッチに豪快に蹴り込まれた。

 これで後が無くなったアルゼンチンは、54分にゴンサロ・イグアイン、56分にクリスティアン・パボン、68分にパウロ・ディバラと矢継ぎ早にFWを投入したが、それが逆効果。前線への偏りが大きくなってチームバランスが極端に崩れてしまったのだ。

 焦る南米の雄を尻目に落ち着いた試合運びを披露したクロアチアは、80分にルカ・モドリッチがダメを押し、アディショナルタイムにはイバン・ラキティッチがトドメを刺された。
 
 最終スコア0-3という文字通りの惨敗を喫したアルゼンチンへは、母国メディアも怒りにも似た辛辣な言葉を浴びせている。

 全国紙『La Nacion』は、「アルゼンチンはクロアチアを前に恥を晒した」とチームの不甲斐なさを嘆き、さらに「複雑な結果だ。サンパオリのチームは完全にカオスを招き、クロアチアに屈した」と続けた。

 これに同調するかのようにアルゼンチンのスポーツ専門チャンネル『Tyc Sports』も、「サンパオリはこの試合に3バックで臨んだが、それはほぼぶっつけ本番に近いようなもので、リハーサルはされていなかった。そうしたことに起因した混乱が全てピッチ上に表われ、0-3という残忍な結果を招いたのだ」とチームと指揮官の采配を非難した。

 まだ、終わったわけではない。22日のアイスランド対ナイジェリアの結果次第で、得失点差を逆転するために大量ゴールが必要な可能性もあるが、最終節のナイジェリア戦に勝利すれば、逆転突破の芽は出てくる。

 いずれにしても、W杯2度の優勝を誇るアルゼンチンが窮地に追い込まれていることには変わりはなく、彼らには2002年の日韓大会以来16年ぶりのW杯グループリーグ敗退の危機がすぐそこまで迫っている。