ロンドン中心部にある「リージェンツ・パーク(Regent’s Park)」は、園内にロンドン動物園、ボートに乗れる湖、北側には散策に最適な運河が流れる広大な王立公園です。

春には花が咲き乱れ、夏にはピクニックを楽しむ市民で溢れ、秋には真っ直ぐな並木道が燃えるような紅葉に染まり、冬でも青々と広がる芝生。いつでも美しく手入れされたこの公園はロンドン市民だけでなく世界中の観光客も癒すまさに都会のオアシス。

そんなリージェンツ・パークの中にある「クィーン・メアリーズ・ガーデンズ(Queen Mary’s Gardens)」。ウィンザー朝の国王ジョージ5世の王妃、メアリー妃にちなんで名づけられたこちらの庭園内にある「バラ園(Rose Garden)」には12000株ものバラが植えられ、85の種類毎の専用花壇と、それらを取り囲むように植えられた多種多様なバラが咲き誇る、ロンドン随一のバラ園です。

ゲートで囲まれたクィーン・メアリーズ・ガーデンズ。

バラ園に近づくとバラの芳しい香りがただよってきます。

次から次へと現れる様々な種類のバラ。ひとつひとつに顔を近づけて香りを楽しみ、一番香り高いバラを探そうとするも、どのバラも香水のように芳しく、どれが一番かわからなくなってしまうほど。

日本でも人気のイングリッシュ・ローズ、著名人や歴史上の人物の名を冠したバラや、『気楽にやろう』『年金受給者の声』『ホット・チョコレート』などのユニークなネーミングの美しすぎるバラの数々をご紹介しましょう。

・Ingrid Bergman

バラ園の中央に植えられ、1番の番号がつけられているのは、その名も「イングリッド・バーグマン」。1930年代からハリウッドで活躍した往年の名女優で、「カサブランカ」「誰が為に鐘は鳴る」「オリエント急行殺人事件」などに出演しています。

真紅のバラは、大きさも色も『ザ・ローズ』といった貫禄ただようバラです。

・Jubilee Celebration

エリザベス女王の即位50周年であるゴールデン・ジュビリーの記念に生まれたイングリッシュ・ローズ「ジュビリー・セレブレーション」。

・Molineux

イングリッシュ・ローズの八重咲き「モリニュー」。

・Lichfield Angel

イングリッシュ・ローズ。ピンクがかったクリーム色が上品な「レッチフィールド・エンジェル」。

・Golden Celebration

イングリッシュ・ローズの中でも一際大きな花を咲かせる「ゴールデン・セレブレーション」。

・Lady Salisbury

「レディ・ソールズベリー」。濃いローズピンクのつぼみが花咲くと、可憐な薄ピンクの花を咲かせるイングリッシュ・ローズ。

・The Alnwick Rose

イングリッシュ・ローズの一種である「アレンウィック・ローズ」。手のひらで包みたくなるような真ん丸い形が特徴。花びらがぎっしり詰まっています。

・Skylark

イングリッシュ・ローズの「スカイラーク」。鳥の『ヒバリ』という意味。

・Anne Boleyn

イングランド王ヘンリー8世の2番目の王妃である「アン・ブーリン」の名を冠したイングリッシュ・ローズ。アン・ブーリンは、国王の愛人から妃の座に上り詰めるも、後に国王の気持ちが離れ、男子が生まれなかったこともあり、姦通罪で投獄、処刑された悲劇の王妃。

・Queen of Sweden

イングリッシュ・ローズながら名前は「クィーン・オブ・スウェーデン」。薄ピンクのかわいらしい花。

・Double Delight

明るい赤とアイボリーのダブル・カラーが一際目立つ「ダブル・デライト」。花びらの先を赤いインクに漬けたような鮮やかさ。

・Nostalgia

ダブル・デライトのように花びらの先が赤く染まった「ノスタルジア」。ダブル・デライトよりもグラデーションが繊細で淡く、気品溢れる色合い。

・Easy Does It

気楽にやろう、「イージー・ダズ・イット」。

・Rachel

大輪のバラ、「レイチェル」。

・Rosa multiflora

つる性野ばらの「ローザ・マルチフローラ」和名は「ノイバラ」。

ベンチをロマンチックに縁取ります。

・Pride of England

明るい赤が鮮やかな「プライド・オブ・イングランド」。

・Simply the Best

単純に最高、「シンプリー・ザ・ベスト」。

・Paul’s Himalayan Musk

つる性の「ポールズ・ヒマラヤン・ムスク」は、ローズ・ガーデンを取り囲むロープに這わせています。

・Albertine

ピンクのつるバラ「アルバーティン」。

・Golden Smiles

まさに満開に輝く笑顔「ゴールデン・スマイルズ」。

・Jam and Jelsalem

オレンジのグラデーションがなんだか美味しそうにも見える、「ジャム・アンド・エルサレム」。

・Blue for You

青をあなたに、「ブルー・フォー・ユー」。

・Gorgeous

ピンク、イエロー、オレンジ色のグラデーションがゴージャスな「ゴージャス」。

・Pensioners Voice

年金受給者の声、「ペンショナーズ・ボイス」。

・You’re Beautiful

あなたは美しい、「ユアー・ビューティフル」。

・Singin’ in the rain

雨に唄えば、「シンギン・イン・ザ・レイン」。

・Iceburg

『氷山』という名の「アイスバーグ」。イギリスの民家の庭先によく見られるガーデナーに人気の品種。

・Lucky!

「ラッキー!」という名の幸せになりそうなバラ。

・Free Spirit

自由な精神、「フリー・スピリット」。

・Hot Chocolate

「ホット・チョコレート」という美味しそうな名のバラ。チョコレートの香りはしません。

・Dorothy House

ドロシーの家、「ドロシー・ハウス」。

例年6月初旬に見頃を迎えるクィーン・メアリーズ・ローズ・ガーデンの見事なバラ。入場はもちろん無料。この時期にロンドンを訪れたなら、是非バラの香りに癒されに行ってみてくださいね。

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Regent’s Park
住所:Chester Rd, London NW1 4NR