かつて明治時代の日本において、多くの知識人や文化人が集まってい場所、それが「喫茶店」だ。

そんな時代の流れを脈々と受け継いで今にその香りを届けてくれているのが「純喫茶」。

実は「喫茶店」にはかつて「特殊喫茶店」と呼ばれる、現在のクラブやキャバレーのようなものがあり、それと区別するために「純喫茶」と呼ばれるようになったという歴史がある。

昭和の時代には非常に多く存在した純喫茶だが、残念ながら現在は少なくなってきている。

しかしながら味わい深い純喫茶で過ごす時間は、懐かしさや愛しさに溢れており、まさに時間を味わうためにはもってこいの場所なのだ。

例えば、直木賞作家・五木寛之さんが通ったお店として知られる金沢にある「ローレンス」に、東京でもっとも美味しいエビフライサンドを味わえると名高い「ロッジ赤石」、ミックスジュース発祥の地として知られる大阪の「千成屋珈琲」、福岡最古の老舗喫茶店「ブラジレイロ」、名古屋を代表する純喫茶の1つ「コンパル」などなど、日本各地に素晴らしい純喫茶が存在している。

しかしながら、現在では年々その数を減らしてしまっているのが実情だ。

今回はそんないつまでも存在していて欲しいと思ってしまうほど、素晴らしい時間を味わえる純喫茶の1つをご紹介したい。

それが今回ご紹介する東京都千代田区内神田にある「珈琲専門店 エース」。

・昭和46年創業の老舗の珈琲専門店エース
こちらのお店、JRおよび地下鉄銀座線の神田から徒歩3分程度の場所にある、老舗のコーヒー専門店。

こちらのお店の創業は昭和46年(1971年)。

昭和46年(1971年)と言えば、東京・銀座にマクドナルドの一号店が開店し、伝説のテレビ番組「8時だヨ!全員集合」が視聴率50パーセントをたたき出していた。

量販店では日清食品の「カップヌードル」が100円で販売され、沖縄はまだ日本ではなかった時代、そんな時代に産まれたこちらのお店は、いまもなお、扉を開ければタイムスリップしたかのような癒しの空間が広がっている。


・エースといえば、のりトースト
そんなこちらのお店には全国にその名が轟くほどのメニューが存在している。

それが、のりトーストだ。

海苔とバターと醤油のみ、というシンプルなトーストなのだが、それが非常に後引く味わい。

和風でありながら、洋風の味わいも感じられる何とも言えないノリトーストは絶品で、この味をもとめて全国からファンが集う、というのもうなづける味わいなのだ。

長い時間、神田で働く人々に愛されてきたその味わいは、時代が移ろい変わっても、変わらない物の1つとして、今なお多くの人々を魅了し続けている。


創業当時から変わらない店内は、今ではほとんど出会えなくなった純喫茶の空間そのもの。

そんな凛とした時代の美しさを感じられる純喫茶で、自分好みの時間を過ごしてみてはいかがだろうか?

きっとそこは、このまま永遠に続いて欲しいとすら思える、最高の時間をすごせる純喫茶に違いないのだ。

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お店 珈琲専門店 エース
住所 東京都千代田区内神田3-10-6
営業時間 月〜金 7:00〜19:00 / 土 7:00〜14:00
定休日 日曜日、祝日