エンゼルスの大谷翔平【写真:Getty Images】

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初上陸のカナダメディアが二刀流特集「天才・大谷翔平は仰天させ続ける」

 米大リーグのエンゼルス大谷翔平投手が24日(日本時間25日)、敵地ブルージェイズ戦に「5番・DH」で3戦連続スタメン出場。二塁打2本を放ち、3打数2安打2四球で4出塁の活躍で、8-1の快勝に貢献した。第5打席には投手強襲で二遊間を割った中前打で二塁を陥れる“センター前二塁打”を披露。「MLB Replay」が動画付きで公開し、米ファンは「彼はアニマルだよ」などと驚きが広がっていたが、ブルージェイズの地元メディアは「天才・大谷翔平は仰天させ続ける」と大谷のカナダ初上陸を振り返っている。

 大谷がトロントの風を切った。敵地のブルージェイズファンも沸かせたのは、最終回だった。

 エンゼルスが7-1とリードし、9回2死走者なしで迎えた第5打席。右腕・マグワイアの初球を捉えた。投手を強襲した打球は、追いかけた二遊間を抜け、そのままセンター右寄りにゴロで転がった。中堅手がチャージして処理する。しかし、単打と判断したのか、処理にわずかに隙があった。そして、中堅手が顔を上げた次の瞬間だ。

 大谷は一塁を蹴って二塁に向かっていた。中堅手は慌ててセカンドに入った遊撃手に送球したが、背番号17は大きなストライドから猛スピードで足から滑り込んだ。二塁塁審の判定はアウト。しかし、タッチよりも大谷の二塁到達の方が早いように見えた。すかさずソーシア監督がチャレンジを申告すると、セーフに覆ったのだ。

 敵地も沸き上がり、ブルージェイズ3連戦の最後も盛り上げた大谷。圧巻の“センター前二塁打”を「MLB Replay」は公式ツイッターに動画付きで公開し、ツイッター上では「結構な足を持ってるな。できないことはあるんだろうか? 彼はアニマルだよ」などと米ファンに驚きを呼んでいたが、カナダメディアも初上陸の二刀流に脚光を当てている。

「そしてある日、彼はベーブ・ルース以来最高の二刀流になるのだろう」

 カナダテレビ局「CBCスポーツ」は「天才・大谷翔平は仰天させ続ける」と見出しを打って特集。カナダのスポーツコラムニスト、ボブ・エリオット氏が執筆し、「大谷を総括すると、彼の速球は平均時速98マイル(約158キロ)、彼の滑らかな左打席のスイングは2階に届く……そして……彼は速い」と投げて打って走って、飛び抜けた才能があることを伝えている。

 また、ブルージェイズで2人しかいないリーグ新人王受賞者が現在、エンゼルスでコーチを務めていると紹介し、その2人も大谷についてコメントしている。

 打撃コーチのエリック・ヒンスキーは「彼は打撃練習で足を動かさないでも本塁打が打てるか試したいと言ってきたんだ。練習中、彼は全て本塁打にしたよ。そして言ったんだ、『全部、入れました』とね」とのエピソードを披露。不振を極めた開幕前にすり足打法の修正を申し入れ、大谷は実際に本塁打を連発してみせたという。

 一塁コーチのアルフレド・グリフィンは「彼のような男をこれまで見たことがない。ランディ・ジョンソンのような剛腕で、中堅もプレーできるほどのアスリートだ」と投手として最速165キロを誇りながら、高い身体能力が求められる外野の華のセンターもこなせると二刀流の肉体に太鼓判を押している。

 3連戦では初戦は無安打に終わったが、試合前のフリー打撃で特大の“5階席弾”が話題を呼び、2戦目は土壇場の9回に同点タイムリーを放った。そして、この日は二塁打2本を含め、グラウンド上で躍動。記事では「そしてある日、彼はベーブ・ルース以来最高の二刀流になるのだろう」と締めくくられている。大谷はカナダにも鮮烈なインパクトを残した。(THE ANSWER編集部)