ディーン・フジオカ 撮影/廣瀬靖士

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「これまでとは違う僕、そして次もまた違う僕。そんな“変化”を楽しんでいただければ」

【写真】おディーン様のほっこり笑顔あります

 今、自身のどこにいちばん注目してほしいか問うと、はにかみながら“変化”という言葉を口にしたディーン・フジオカ(37)。

「芝居にしても音楽にしても、変化し続けることをポジティブにとらえています。いつもアンテナの感度をマックスにしてやっていますよ」

 と語り、笑顔を見せる。そんなディーンが朝ドラ『あさが来た』でブレイクするまで、アジアを中心に海外で活躍していたのは周知のとおりだが、

「その経験のおかげなのかな。どこに行っても適応力が早いというか、どんな環境でもその場なりの楽しむ術がわかってる気がします(笑)」

 そんな数ある海外生活の中でも、“縁が深い”というのがインドネシア。現在は家族が暮らし、ディーンにとってはゆかりある場所――。そのインドネシアでオールロケが敢行された主演映画『海を駆ける』が公開される。

「2009年ごろから台北とジャカルタを拠点に仕事をしていました。ジャカルタではCMを撮ったり音楽を作ったりしていましたが、こうやって長期の作品に挑戦したことがなくて。いつかこの国で俳優の仕事がしたいと思っていたので、ひとつの夢が叶(かな)いましたね」

 ロケが行われたのはスマトラ島北端に位置するバンダ・アチェ。海外を渡り歩いてきたディーンでさえも“特殊な場所”と語る。

「30年くらい内戦が続いていて、そんな中(スマトラ島沖地震で)大きな津波に襲われて。自然災害でたくさんの命が失われたけど、それがきっかけで人間同士、傷つけ合うことが終わったと解釈している人たちも多い。それは僕の中にはない感覚でした。傷ついている人が多いはずなのに、彼らの明るさ、優しさに、未来へ対する希望を感じましたね」

 そのアチェには映画館はおろか、そもそも映画を撮るシステムがなかったそうで、

「そこで日本人が映画を撮ろうと思った“狂気”に共鳴して、参加を決めたんです」

 ちなみに撮影中、家族には?

「会いましたよ。アチェにも来てくれました。撮影がなかった日に、ジャカルタに戻って家族と一緒に過ごしました」

 と、うれしそうに振り返る。そして最後に、“これだけは言っておきたい!”ということが。

「アチェのコーヒー、最高です。実は僕それまでコーヒーが飲めなかったんですけど、1か月もいたらハマってしまって。コーヒーのおいしさに目覚めました。ドラマの現場にも差し入れで持っていって、みんなからも好評でした。……なんだか僕、魅力ばかり伝えて観光局の人みたいですね(笑)」

隙あらば……!

「ありがたいことに忙しくさせてもらっていて、今、運動できる時間がすごく貴重なんです。ストレス発散にも身体を整えるにも、僕にとってはやっぱり身体を動かすことが大事。だから“いつ運動ができるかな”って、いつも隙をうかがってます(笑)」

<映画情報>
映画『海を駆ける』5月26日(土)全国ロードショー
 海岸で倒れている謎の男(ディーン・フジオカ)が発見された。バンダ・アチェに住む貴子(鶴田真由)とその息子タカシ(太賀)に“ラウ”と名付けられた彼の周りでは、次第に奇妙な出来事が起こりはじめ――。キャストの見事なインドネシア語にも注目。