古巣相手に本塁打を放ったレイズのC・J・クロン【写真:Getty Images】

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レイズにトレードされた2011年のドラ1男クロンが“意地”の活躍

 17日(日本時間18日)の本拠地レイズ戦に「5番・DH」でスタメン出場し、9回の第4打席で6号ソロを放った大谷翔平投手。試合は1-7でエンゼルスが完敗したが、2試合連続完封負けを阻止する“意地”の一発となった。レイズで活躍したのはC・J・クロン内野手。2011年のドラフト1巡目(全体17位)でエンゼルスに入団し、14年にメジャーデビューしながら、オフに大谷の加入に伴ってレイズにトレードで放出された男の“意地”も最高のドラマとなった。MLB公式サイトが報じている。

 エンゼルスタジアムに登場した初回は、拍手で打席に迎えられたかつてのドラ1男。古巣に牙を向いたのは6回だ。エンゼルスで一塁手兼指名打者と期待されていた大砲は、先発スカッグスからレフトに豪快な今季11号ソロ。先制点をもたらし、レイズ大勝劇の流れを作った。

「厳しい一発だった。親友からのホームランは特にね。フラストレーションだよ。でも、今後の糧にするしかないね」

 スカッグスは試合後、昨季までの同僚からの一発を悔やんだという。この日のクロンは5打数2安打と活躍し、今季初盗塁にも成功した。

 記事では「クロンは2011年にドラフト1巡目で指名され、2014年にメジャーデビューを果たした。だが、12月にオオタニの獲得に伴い余剰人員となってしまった。オオタニを指名打者にするために、アルバート・プホルスが一塁でプレーすることになったのだ」と、当時のエンゼルスの事情を紹介している。

クロンが明かした当時の心境「完全なショックとは言わない」も…

「完全なショックとは言わない。オオタニの契約で、ロースターに不具合が生じようとしていた。一塁手があまりに多くなってしまったんだ」

 クロンは取材に対して、こう語ったという。二刀流のスーパースターの加入で、レジェンドのプホルスが指名打者から一塁手に“復帰”。記事では、ルイス・バルブエナ、ジェフリー・マルテという、一塁を守れる両内野手の存在についても言及している。クロンの出場機会が限られることは確実だった。

 記事の中で、クロンは「実際に決まった時はちょっとショックだった。でも、予想はしていたんだ」とも語っている。もっとも、新天地では打率.293、11本塁打、27打点と活躍しており、このトレードがキャリアの“起爆剤”となったようだ。

 二刀流フィーバーに盛り上がるメジャーリーグ。新たなスーパースターの到来に追われる格好となったドラ1の古巣への痛烈な恩返しも、アメリカで話題を呼ぶドラマとなった(Full-Count編集部)