新潟県知事の米山隆一氏が週刊文春の報じた“パパ活疑惑”の責任を取るため、知事の職を辞任しました。
 
記事の中では複数女性に対して金銭の授受(買春行為)があったとのこと。会見ではこれを認めたものの、相手女性に対しては「お金を払うことで好かれたかった」といわば片思いであったと主張。ツッコミどころ満載であった本報道でしたが、注目がこれほどまでに集まった原因には知事の“凄すぎる経歴”と“出会いの場所”も関係していたように思います。
 
米山氏は元東大医学部卒で司法試験にも合格した異色の経歴を持つ県知事であり、過去には“天才”と呼ばれていたこともあったようです。経歴だけ見たらエリートで恋愛の場でもモテそうな気がしますが、彼は今回報じられた女性たちとの出会いの場として『マッチングアプリ』を活用していました。
 
ミスマッチな組み合わせにより、在任時の取り組みよりも注目を高めてしまった本報道。1つ1つの状況をみていくと、実はそこにはエリート中年の“闇”があるのかもしれません。
 
■パパ活は本当に流行っているのか?
 
近年売春や買春行為をよりライトに「パパ活」と称することが多々あります。言葉の意味は曖昧ですが、パパ活とは一般的には20歳以上の男女が援助交際(売春行為)をすることをよりライトに言い換えた造語です。パパ活の種類にはデートや食事だけでお小遣いをもらう場合もあれば、肉体関係の見返りとして金銭をもらう場合も。今回の米山氏もこれにあたります。
 
一昔前なら“エンコー”と呼ばれ危険行為と思われていたものの、最近はマッチングアプリやSNSを用いたやり取りがおこなわれているといいます。「パパ活」という言葉が流行った2016年以降はバラエティ番組で特集が組まれたりパパ活専用のマッチングアプリがリリースされたりと、注目は今も高まっているといえます。
 
ちなみに筆者の友人男性(30代)はSNSで「出会いが欲しい」「夜が寂しい」的なことをつぶやいたら、パパ活希望女子と思われる女性から連絡がきたことがあったといいます。このように最近のSNSでは、女性から積極的な営業活動を行っている場合もあるようです。
 
フットワークの軽さに驚愕しますが、とはいえ仕事として考えると水商売とは異なり自己責任で全てを行わなくてはいけない点は危険度が高い。また長期的な収入源として女性が活用するには、まったくもって利害が一致してないなと個人的には思います。
 
■なぜエリート中年が出会い系に救いを求めたのか
「エリート知事が出会い系でパパ活をやっていた」
 
このインパクトが世間の感心を集めるのは理解出来ますし、一撃で米山氏の在任中の功績がくすんでしまうのは残念ではあります。しかし世間一般的には「頭が良くて高収入な男性はモテる」といわれているため、違和感を覚えた人もいるのではないでしょうか。
 
エリート男性は経歴重視の女性にモテがちというのは事実なのですが、中には当然あぶれてしまう男性もいます。モテない理由は人それぞれです。ただモテないという事実が突きつけられた後もこんな気質や考えを持って生き続けてしまうと、頭がよくても異性関係で挽回するのが難しいように思います。
 
・頭の良さに女性がついてこられないと思っている
 
簡単に言うと「俺は頭がいい」を常にひけらかして女性と接する男性は、どんなに年収がよくて頭がよくても経歴が素晴らしくても女性に嫌われます。むしろこのタイプは見下していることを言葉の端々に無意識に匂わせていることがあり、女性に“モラハラされている”と感じさせてしまっている可能性があります。
 
過去出会った実例を挙げてみましょう。東大卒で上場企業の会社員男性と付き合っていた女性は何か間違うたび「こんな簡単なこともわからないの?」「本当キミっておバカさんだな」と小さく小さくディスられ続け、それが辛くて別れたのだとか。
 
頭がいいことは凄いこと。でももっと凄いのは頭がいいことを自覚した上で、自分と異なるタイプを見下すことなく受け入れる器の広さを持った人だと思うのです。
 
・学歴や年収がよければ女性はいつだって見つけられる
 
年収がよくて経歴も肩書も凄ければ、たしかにそれで寄ってくる女性はいます。でも結局その先の人間性に問題があると思われたら、恋愛というのは成立しません。しかし頭が良い人の中には「経歴や年収が良いとモテる」という事実を合理的に捉えすぎた結果、「そこさえしっかりしていれば女性は来る」と結論づけてしまう場合もいるようです。
 
過去出会ったエリート独身男性の発言をご紹介すると、彼女とか作らないんですか?という質問に「だって僕が婚活したら、それなりに女性は集まってくるじゃないですか」と平然と答えていました。ちなみにその方はすでに40代中頃。キャリアはしっかりしていても、恋愛に対する考え方は大きな誤りがあるように思います。
 
恋愛は上手くおこなおうとすれば、自分に対する自信と寄り添おうとする謙虚さという相反する2つの要素が必要です。これらのバランスを崩すと自分の凄さにあぐらをかき、お金や肩書で解決してしまうことでしょう。でも女性は安心感という意味でお金や肩書きを求めるいっぽう、それよりも精神的な安心感のほうが優先順位は高かったりします。頭がよすぎるゆえの勘違いはいいことがありません。
 
辞任をした米山氏は今後医者になるのか弁護士になるのか、それともまた別のタイミングで政治家として復帰するのか。いくらでも道があるように思いますが、どの道に進んだとしても彼を支える優しき女性に今度は出会えるよう祈りたいと思います。