リーアム・ニーソン、20年間で培った“観客への信頼”── 芝居に出てくる変化、“列車”への思い出も告白『トレイン・ミッション』インタビュー
『フライト・ゲーム』『96時間』などで知られるリーアム・ニーソンが主演を務めるサスペンス・アクション『トレイン・ミッション』が3月30日(金)より公開される。
『バットマン ビギンズ』以来13年ぶりに来日した、世界が誇る“最強のアクションスター”リーアム・ニーソン。映画ランドNEWSでは、リーアム・ニーソンに役作りや撮影の裏話、アクションシーンを振り返ってもらった。サイン入りポスターのプレゼント(3名様限定)にも応えてくれた。
本作は、定年間近でリストラされた主人公が、いつも通りの通勤電車で突如仕掛けられた罠に翻弄されるさまを描いたサスペンス・アクション。100人の乗客から1人のターゲットを終着駅までに探し出さねばならない究極のミッションを課せられる主人公に『フライト・ゲーム』『96時間』のリーアム・ニーソンが扮する。
──アクションや謎解きが楽しいのはもちろん、文学作品のものを現していたりとか、同じ電車に乗り合わせた人種の人たちが団結して行く感じとか、深みもあって素敵な作品だと思いました。リーアム・ニーソンさんから観た作品の魅力を教えていただけますか?
リーアム・ニーソン(以下、リーアム):僕もそれが魅力だと思う。監督のおかげだと思うんだ。乗り合った他の乗客が1人ずつちゃんと掘り下げられているからこそ、我々や観客が映画を観た時に興味を持つ、「あれ?怪しいのかな?」と思ったり、本当は無実なのかもしれないけれども、どこか惹かれるものをそれぞれのキャラクターが持っていたよね。それによって映画がより豊かになってるし、良い意味で複雑になっているんだ。
──今回がジャウマ・コレット=セラ監督との4度目のタッグとなりましたが、今作ならではの違いはありましたか?
リーアム:違いは無かったよ。より今回はインテンツ(苛烈、激しい)だった。すごく閉塞的な場所で撮影して物語が展開していくので、より準備を綿密に、本当に細かいところまで準備をしなければいけなかったんだ。監督とは、とにかくウマが合う。特に芸術的な感性の面でね。1番大変だったのは、映画の中の設定としては電車が7車両あるんだけど、実際に95%をスタジオ内で撮影しているんだ。1車両と少ししかなくて、毎日撮影が終わると美術部が撮影用に変えて、エキストラもシーンによって変えて移動しなければならない。こういうところが今回はすごく大変だったね。あとは、撮影監督が作ってくれた光もスピード感を感じなきゃいけないし、光が変わってくる感じも表現しなければならなかった。「動いてる列車だ」っていうのをいかに見せるかが大変だったね。
──リーアムさんが列車について想っていること、電車絡みのエピソードがあったら教えてください。
リーアム:1つお話をすると、祖父がアイルランドで蒸気機関車から電気電車まで50年間運転手を勤めていた。バイキングが最初にアイルランドを侵略した時に着いた「ウォーターフルート」という場所で5〜6歳の時に駅へ母親に連れて行かれた時、蒸気機関車だったから、蒸気の中から降り立った様子が、雲間から地上に降りて来たゼウスのようだったよ(笑)。その光景がすごい記憶に残ってるんだ。列車には普通に乗るけど、すごい電車フェチとかオタクではないね(笑)。
──誰が見ても強い男と、今作で演じているような“普通の男”とでは、演じていてどちらが面白いですか?
リーアム:『96時間』の時のような役も普通の男だと思う。単にいくつかのスキルを持っているだけで。普通の役を演じる方が、観客がより共感しやすいと思うんだ。さらに親近感を持てるからこそ、裏切ったり騙したりするのは楽しいね。観客は共感してるからこそ、リアルタイムで「自分だったらどうしよう」と経験する。彼(自身が演じる主人公)がお金を手にしてしまった瞬間、これだけの苦境に置かれているんだから「自分だったらわかるわー!」って思ってもらえると思う。演じるのはすごく面白いし、ある意味、年齢を理由に首を切られてしまう普通の男で、年はそんなにいってるわけでもないのにそう言われてしまうのも、社会的に実際あることだし、そういう役を演じられるのが醍醐味でもあるよ。
──お芝居で大切にしていること、年を重ねるごとにお芝居に出てくる変化はあるのでしょうか?
リーアム:年を重ねるに連れ、よりシンプルに演じるようになってきた。最大限の効果を得るために最低限のことをする。観客には、自分たちでそのギャップを埋めてくれると信頼している。20年前は「もっと見せなきゃ!伝わらない!」って思っていたけど、今は観客がギャップを埋めてくれると信頼しているから、抑えて演じることが出来るようになってきているよ。なるべくシンプルに、書かれた脚本からセリフであっても、本当に真実として言葉になっている。心からそのキャラクターが「言っているんだ」って観客の方が信じてくれることだけを考えているよ。それこそが、僕にとって、映画における演技の定義だと思っているんだ。役者によっては、声音を変えたり、鼻を付けたりして、ちょっと顔を変えることで演技やキャラクターを作ろうとするけど、僕はそういう演技には全く興味が無いね。
──アクションはどこまでスタント無しでご自身で演じられていますか?なぜ、スタントを起用しないでご自身でアクションシーンをやるのでしょうか?
リーアム:戦っているシーンは自分でやっているが、車両から車両へ飛び降りるシーンはスタントマンに任せているよ。以前、共演者が樽に入ったまま転げ落ちるシーンを「自分でやる」と言っていて、「何てバカなことを言っているんだろう?」と思った(笑)。役者側に何かあったら、製作側は中断してしまうからね。そういう危険なシーンはプロのスタントマンにちゃんと任せるべきなのに・・・というのが自分のスタンスだよ。ファイトシーンはなぜ自分でやるかというと、それがキャラクターの一部であり、キャラクターの全ての側面を表現するのに役立つと感じるからなんだ。ファイトシーンは親密な作業で、特に今回のような狭い空間の中で起こるファイトシーンというのは緻密なものだから、スタントマンに任せることは考えられない。
──若い頃、ボクシングをやっていましたよね?
リーアム:そうなんだよね。それは確かに助けになっていて、自分を律する心であったり、丹念であったり、準備の大切さや相手をリスペクトすること。映画の場合はスタントチームの面々であったりするが、そういった部分はボクシングから学んだんだ。こういうシーンを演じるときは何度も何度もリハーサルをして、目を閉じても出来るくらいリハーサルをしてから、カメラがまわった瞬間に、はじめてアクションをしているかのように演じるのが良いアクションシーンだと思うよ。
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【応募期間】2018年3月29日(木)〜4月6日(金)正午まで
【当選人数】3名様
【応募方法】映画ランドアプリをダウンロード→該当するSNS投稿を拡散→応募フォーム入力
映画『トレイン・ミッション』は3月30日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて公開
© STUDIOCANAL S.A.S.
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