山中慎介、涙の引退会見に海外からも続々惜別の声 「日本で最も高潔なボクサー」
山中は26日に会見を行い引退を正式表明、名王者のラストを海外メディアも続々と報じた
ボクシングの元WBC世界バンタム級王者山中慎介(帝拳)が26日、引退会見を行い、現役に終止符を打つことを正式に表明した。日本歴代2位の12度の防衛を重ねた、歴史に残る名王者のラストを、海外メディアも続々と伝えている。
2006年にプロデビューした山中。2011年11月にWBC世界バンタム級王座決定戦でベルトを獲得すると、そこから12度の防衛に成功。“神の左”と呼ばれた強烈な左ストレートで対戦相手を次々とリングに沈めた。
日本記録に並ぶ13度目の防衛戦は昨年8月、ルイス・ネリ(メキシコ)戦。4回TKO負けで6年間守ってきたベルトを失った。そして今月ネリとの再戦でも敗れ、正式に引退を決めた。ネリは1戦目の後に試合前のドーピング検査で禁止薬物に陽性反応を示したことが発覚。再戦では今度は体重超過で王座をはく奪と、後味の悪いラストになってしまったが、山中自身のその功績になんら傷がつくわけではない。
この日本ボクシング史に名を刻む王者の引退を、海外も敬意をもって伝えている。メキシコ専門メディア「NotiFight」は、「シンスケ・ヤマナカが正式に現役引退を発表」と見出しをつけて報道。
輝かしい功績に加え人間性への称賛も「リング内外でも模範となる世界的な王者」
「会見で家族に寄り添われると、涙を抑えきれなかった。偉大な王者はわずか2敗で引退を決意した。その内訳も、どちらもルイス・ネリによるものであり、彼がキャリアで唯一打ち倒された相手となった」
記事ではこう伝えている。メキシコ放送局「RN Deportes」も「彼は日本でベストな王者の1人だ。そして、リング内外でも模範となる世界的な王者だった」と優れた人間性も含めて名王者だったと振り返っている。
またインド専門メディア「MMA」は「100人以上の記者に囲まれたことこそが、彼のキャリアの詳細を物語っている。12年間に渡りプロとしてキャリアを全うしたヤマナカは、日本で最も高潔なボクサーとして語り継がれるだろう」とその輝かしいキャリアを振り返りつつ、後世に語り継がれるだろうとしている。
その鮮やかなKOシーンで、日本のみならず世界のボクシングファンからも人気だった山中。35歳でグローブを吊るすことになるが、その栄光は生涯色あせることはない。(THE ANSWER編集部)