金崎(10番)のゴールを喜び合う鹿島イレブンにとって、小笠原(40番)の存在感はまだまだ必要だ。写真:徳原隆元

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[J1リーグ2節]鹿島1-0G大阪/3月3日/カシマ
 
 鹿島はホーム開幕戦でG大阪を下し、リーグ戦初勝利を挙げた。試合内容は前半こそ一進一退だったが、後半に入ると鹿島が迫力のある攻撃を展開。78分に右サイドを突破した鈴木優磨のクロスから、エース金崎夢生が値千金の決勝ゴールを奪った。
 
 試合後、金崎は「課題はありますけど、しっかりとホーム開幕戦で勝てたので良かった」と冷静に振り返り、今季初勝利を素直に喜んだ。
 
 得点に関しても「あいつにしては珍しくいいボールでした」とアシストの鈴木をいじりつつ、「優磨のクロスが良かったので、合わせるだけでした」とシュートの難易度は高くなかったと明かした。
 
 カシマスタジアムでのオープニングマッチを自身のゴールで勝利。金崎にとっては幸先のいいスタートとなったが、それ以上にこの試合で感じたものがあるという。鹿島が誇る闘将・小笠原満男の凄みだ。
 プロ20年目を迎えた39歳は、昨年8月26日のJ1リーグ24節・C大阪戦以来となるリーグ戦出場を果たした。慣れ親しんだ4-4-2のボランチに入ると、経験に裏打ちされたベテランならではのプレーでチームを牽引。終盤に入れば入るほど、ピッチ上で輝きを放った。
 
 そんな小笠原に金崎は「ゲームを通じて全然違うなと感じた」、先輩の偉大さを改めて実感。とりわけ、的確な声掛けなどプレー面以外で違いを痛感させられ、守備面でその効果をより感じ取ったという。
 
「FWとして守備のところで指示とかがあったので、満男さんがいると全然違うなと感じました」(金崎)
 
 前からプレスを掛ける際に出されたコーチングは的確。コースの切り方やボールを取りに行くところの見極めはスムーズになった。最後まで守備組織が崩れなかった背景に、小笠原の見えない活躍があったのは確かだ。
 
 値千金の一撃がかすむほどの小笠原の存在感。金崎の言葉通り、鹿島の40番はまだまだ健在であることをG大阪で証明した。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

【鹿島 1-0 G大阪 PHOTO】エース金崎の値千金のゴールで鹿島が勝利