新加入選手が参加した浦和のキックオフイベント。興梠と「自分から話しかけられない」と告白した選手とは? 写真:塚越始

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 浦和レッズのキックオフイベントが2月15日、さいたま市民文化センターで開催された。ファンやサポーター740人が来場し、淵田敬三社長による新シーズンのクラブビジョンの説明、さらに新加入選手、注目選手によるトークショーが行なわれた。

 
 司会はスタジアム場内放送のMCを務める岩沢慶明さんと朝井夏海さんが担当。新人7選手が答えるトークショーでは、チームの印象、これまでの仕上がりぶり、そして気になる選手についてのツッコんだ質問などが飛んだ。そのなかで最も盛り上がったのが、明治大から加入した柴戸海が明かした“悩み”だった。
 
 明治大から誰も知り合いがいない浦和に、新人として加入した柴戸。同い年がひとりもいないなかで「どのようにチームに溶け込んでいったのか。最初に仲良くなったのは?」と聞かれると、「まず話しかけてくれたのが長澤選手でした」と答えた。
 
「キャンプの前に合同自主トレがあり、そこで最初に声をかけてくれて、一緒にボールを蹴ってくれました。それが僕にとってはとても有難くって。そのおかげでチームに入っていけました」
 
 一方、自分から声を掛けられない先輩は? と聞かれると、柴戸は恐れるように「こ、興梠選手です」とやや緊張した面持ちで答え、会場からどっと爆笑が起きた。
 
 さらに、他にまだ興梠選手と話せずにいる人はいます?との質問に、そっと手を挙げたのが、荻原拓也、橋岡大樹のユース出身のルーキーふたりだった。ルーキーの3人組にとって、興梠は話すのにかなり勇気がいる存在のようだ。
 
 司会の岩沢さんから「パッと見、明るくたくさん喋るタイプではなさそうですね」と言われると、柴戸は「最初の印象で、み、み、見た目だけでなんですけど、なかなか自分からは話しかけに行けないと思いました」と胸のうちを吐露。
 
「いい人ですよ!」(岩沢さん)、「本当に優しいですよ」(朝井さん)と励まされた柴戸。
「はい、いい人です。キャンプでもお話して……数回しか話していないですけど、それはすごく感じました」
 
 一回り違う9歳差。しかも柴戸にとっては、日本代表やリオ五輪代表にも選ばれてきた興梠は雲の上と言える存在なのかもしれない。
 
 ただ、ピッチ上では年齢は関係ない。柴戸はボランチ、興梠はCFが主戦場。もしかすると……新たなホットラインを開通させるかもしれないふたりだけに、これからの関係を見守っていきたい。
 
取材・文:塚越 始(スポーツライター)