CBS MarketWatchによると、4日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の11月物は、大幅続落。石油供給不安が後退したことで大幅に値を下げ、引け前に、ハリケーン被害を受けた米メキシコ湾岸の天然ガス生産が通常の3分の1以下までしか回復していないとの報道があったものの、64ドルを割り込み、前日比1.57ドル（2.4％）安の1バレル＝63.90ドルに続落、9月16日以来、2週間ぶりの安値で引けた。

　　4日には、米エネルギー省のサミュエル・ボドマン長官が、ブッシュ大統領は今冬の暖房需要シーズンに予想される暖房油の供給不足に対応するため、政府の暖房油備蓄の放出の可能性を検討すると述べている。また、NYMEXは同日、ハリケーン被害で、天然ガス先物の9月と10月物の受け渡し延期を発表した。ハリケーン・シーズンも終わりに近づいており、懸念された熱帯低気圧「スタン」が米メキシコ湾岸を避け、メキシコに上陸したため、売り注文が膨らみ、相場を押し下げた。トレーダーのなかには、5日に発表される米週間石油在庫がそれほど減少しなければ、原油先物が60ドル以下の58ドルに近い線で取引されるとの見方もある。

　　ガソリン先物の11月物は前日比4.65セント（2.3％）安の1ガロン＝2.0157ドルで引けた。ガソリン先物11月物は一時、9月26日以来1週間ぶりに2ドル以下で取引された。暖房油先物11月物は、日中1.99ドルまで下げたあと、同3.12セント（1.5％）安の1ガロン＝2.0497ドルと続落して引けた。天然ガス先物11月物は、同20.7セント（1.5％）高の100万Btu=14.224ドルで引けた。終値ベースでは過去最高となった。1日のザラ場では14.55ドルにも達している。　【了】