混迷を深める大相撲暴行問題。4日は、貴乃花親方の理事解雇が評議員会にて正式に決定されました。しかし、一部報道によれば、その会議において常識を欠く問題発言があったというのです。

12月の巡業を休むにあたり貴ノ岩の診断書が提出されなかったことを問題視する協会側に対して、貴乃花親方が「報道陣に囲まれ病院に行けず診断書も出せなかった」旨を文書で回答したことについて、評議員は事実かどうかを問いただしたといいます。

その際、八角理事長はそのような発言はないと否定したうえで、報道陣に囲まれて病院に行けないならば救急車で行けばよいと声を荒げたのだとか。

もしこれが事実であるならば、大変に問題のある、常識を欠いた発言と言えるでしょう。救急車はタクシー代わりのクルマではなく、緊急性の高い重篤患者を速やかに移送するためのもの。当然のことですが、車両の数にも限りがあります。診断書取得などのために救急車を呼べば、その間に発生した重篤患者を移送できなくなってしまいます。

そうした問題意識は広く社会で共有されており、総務省からも2011年に「救急車の適正な利用について」と題した文書が発表され、タクシー代わりに救急車を呼ぶ行為を諫めているところです。

八角理事長に関しては「何気ないちょっとした気持ちでやった暴力」という非常識な発言があったという指摘がされたばかりですが、またひとつ常識を欠いた発言が漏れ出た格好です。根本の部分で、自分さえよければいい、世間の常識など関係ないという意識があるからこそ、こうした浮世離れした発言が漏れ出るのではないでしょうか。

八角理事長が「救急車を呼べ」と指摘するべきは、日馬富士が暴行を働いた当夜、頭部に傷を負った貴ノ岩を眺めていた力士・関係者に対してのはず。評議員も、この発言が事実であるならば、すぐさまこうしたことを指摘するべきであり、それがなされなかったのであればやはり常識を欠いていたと言わざるを得ません。

貴乃花親方について「礼を失する」などと言う前に、八角理事長や評議員会に「常識を失する」と指摘することのほうが、角界にとっては急務かもしれません。(文=フモフモ編集長 http://blog.livedoor.jp/vitaminw/)