CBS MarketWatchによると、バーナンキ米CEA（大統領経済諮問委員会）委員長は25日、首都ワシントンで行われた世銀・IMF（国際通貨基金）の年次総会で講演し、米国本土を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」と「リタ」による米経済への影響について、「米経済には大きな痛手を受けても自立反発力がある」と述べ、両ハリケーンによる米経済への影響は限定的との楽観的な認識を示した。

　　また、次期FRB（連邦準備制度理事会）議長の有力候補でもある同委員長は、2つのハリケーンによる被害にも関わらず、米経済のインフレ期待は十分に抑制されていると述べ、FRBが今後、1970年代の石油危機のように、インフレを抑制するため、政策金利を大幅に引き上げる必要はないとの認識を示した。

　　加えて、24日に米国南部に上陸し、熱帯低気圧に変わったリタによる被害について、同委員長は、被害状況を把握するまでに依然、時間が必要としながらも、懸念されていた石油精製施設への被害については、「まだ早い段階だが予想以上に小さい」としている。一方、8月末に米国南東部に上陸したカトリーナについては、その被害の大きさから、失業者の増加と経済成長の鈍化が今後予想されるとしている。【了】