同じ年収でも、貯まる家庭と貯まらない家庭の差はどこにあるのでしょう? 自然体で暮らしているのに、なぜかお金が貯まる! そんな人の貯める秘訣を探るべく、ESSE編集部では読者300人にアンケートを実施。結果を分析したところ、生活習慣にいくつもの共通点があると判明しました。
日々なにげなく実践している習慣は、人それぞれの、ものの考え方や価値観を強く反映した結果。言い換えれば、貯めている人の習慣をマネるだけで、お金が貯まりやすい考えや行動に変わる近道と言えます。貯めている人の一日から、貯まる生活習慣を探ってみましょう!貯めてる人はどこが違う?貯まる習慣を教えます

3人の子どもを育てながら、約3年前に分譲マンションを購入し、その後も年間100万円を貯蓄しているという高崎さん。

「家計簿もつけていないし、とくにがんばって節約しているわけでもないんです」

そんな、高崎さんの告白に、これまで数多くの節約上手のお宅を取材してきた、マネーライターの横田頼子さんと消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんも「貯まる人の典型的な家」と太鼓判を押します。高崎さんの一日をダイジェストで紹介していきましょう。●家族よりも早起きして家事をスタート


朝はいちばんに起き、洗濯機のスイッチをオン。ルーティン家事をリズムよくこなします。

「洗濯機が回っている間に朝食をつくってみんなを起こし、食後、保育園に送る前に2回目の洗濯を開始。帰ってきたら、洗濯物を一気に干して、部屋の掃除まですませるのが毎朝の習慣です」

300人のアンケートを分析したところ、高崎さんと同様に、「夜ふかしだと調子が出ないので早寝早起き」「朝は作業がはかどる」と、起床時間は早めの傾向が見られました。「早起きは三文の得」と言われるように、規則正しい朝型生活が貯めたい質への第一歩かもしれません。●毎日、部屋のすみずみまで掃除機をかける


子どもたちを保育園に送って、洗濯物を干したら、掃除タイム。
「掃除機は毎日、部屋のすみずみまでかけます。面倒に見えますが、汚れを放置してこびりつかせた方が手間も時間もかかって大変。床にものを置かないようにしているので、ほんの10分で家をきれいに保てます」
長年、貯まる人の生活を取材してきた松崎さんもこれに納得! 「短時間で掃除できるのは、部屋にものがあふれていないからこそ。その状態をキープするために余計なものを買わない好循環ができます。ものが多い人は、捨てることから始めてみるのも手」(松崎さん)。
これまで数多くのお宅におじゃましてきてESSE編集部も感じているのが、片づけている人ほど貯め上手という傾向。その一方で、片づいていない、あるいはものがあふれている家に住む人は、セールの表示に踊らされた衝動買いやダブり買いが多く、さらには、期限内にものを使いきらないなど、ムダ使いが見られる傾向に。部屋のきれいさと貯まりやすさ、じつは深い関係があるのです。●だらだらスマホはしないルールに


日中は仕事をしている高崎さん。だらだら使うのを防ぐために、スマホは仕事のやりとりと保育園のママ友の連絡メール程度。
「調べたいことや買いたいものがあるときは、パソコンを使うことに」
また、友達づき合いが複雑になりがちなので、ラインはしないことに決めています。
「だらだらスマホは、時間もお金もムダになる一方。貯まる人は、連絡ツールとして割りきって使います。友達ともほどよい距離を保ち、ときに誘いを断る勇気がムダな交際費のカットにつながりますよ」(横田さん)。●ライフプランや家計のやりくりを夫と話し合う


子どもの誕生や進学、家の購入など、ライフプランについて夫婦で話し合うことをを習慣に。
「最近も子どもが習い事を始めるので、月謝を出しても大丈夫かを相談しました。夫が聞いてくれるだけで、安心感があります」

アンケートでも、貯めている人は夫との関係がフラットで、お金に関しても「なんでも話し合う」という家庭が多く見られました。
「夫婦が情報を共有して、危機感や安心感を共有しておくことは、貯蓄の絶対条件です」(横田さん)。
家計管理を夫が妻に丸投げしていたら、貯蓄がまったくできていなかった…。そんな家を目の当たりにしたこともあるという横田さん。お金のことをフラットに話し合える家は、そもそも日ごろからコミュニケーションが取れている夫婦である証拠。協力し合える関係にあるだけに、相手のためにムダ使いを押さえることができるなど、貯めやすい環境であると言えます。

家計管理のテクニックと違って、生活習慣は心がけ次第で簡単に変えられるもの。貯まる習慣をマネして、お金を呼ぶ体質に生まれ変わりましょう!
ESSE2018年新年特大号では、貯まる人の習慣をさらにくわしく紹介。テレビや雑誌で大活躍のゲッターズ飯田さんが解説する「貯まる人の特徴」も必見です。

●教えてくれた人
【松崎のり子さん】
消費経済ジャーナリスト。『ESSE』『レタスクラブ』の編集者として20年以上マネー記事を担当。著書に『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社刊)など

【横田頼子さん】
家計&マネーライター歴25年。本誌連載「家計のお悩みクリニック」や特集をはじめ、子育て世代からシニアまで幅広い対象に向けて家計管理の記事を構成・執筆する

<撮影/難波雄史 取材・文/ESSE編集部>