超大型の台風21号上陸で、首都圏でも「避難勧告」などを知らせる緊急速報がスマートフォンに次々に通知された。

しかし、「解除」まで通知されることに、ツイッター上などで耳障りだとの声も出ている。

通勤電車内で、一斉に緊急速報のアラーム音が

2017年10月22日15時59分、神奈川県鎌倉市内で衆院選などの投票を終えた直後のことだ。Jタウンネットの記者がポケットに忍ばせていたiPhoneから、けたたましいアラーム音が響いた。

ちょうどそのときは、NHKの出口調査でアルバイト男性から渡されたアンケート用紙に記入していた。作業を中断して画面を見ると、緊急速報として「避難準備...」などと通知されていてびっくりする。投票中の人なら、たぶん周りも驚いただろう。

「土砂災害警戒区域の皆さまに避難準備・高齢者等避難開始を発令します。崖の近くにお住いの方は、いつでも避難できるよう、準備をしてください」

高齢者などは避難を始めるよう呼びかけており、避難所は鎌倉市内の小学校となっていた。「建物2階の崖から離れた避難も有効です」とも書かれていた。

さらに、翌23日8時49分のこと。通勤のためJR鎌倉駅から横須賀線に乗って東京都内に向かっていると、またiPhoneからアラーム音が響いた。ほかの乗客からも同時に同じメロディーが流れ、周囲も一瞬ハッとした様子だった。



ちょうど神奈川県川崎市内を電車が走っており、8時30分に市の避難勧告が解除されたという緊急速報だった。市では、土砂災害警戒区域の5万352世帯に22日22時30分に避難勧告を発令していた。

勧告など解除には、「いらないと思う」の声も

台風21号の上陸を巡っては、日本全国の広い範囲で避難勧告などが出されており、スマホから緊急速報のアラーム音が次々に鳴ったとツイッター上などで報告されていた。

もちろん、関西地方で大和川が氾濫して駅構内にも水が流れ込むなど実際に被害も出ているため、緊急速報に注意するよう呼びかけも行われた。しかし、就寝時などにも鳴り響いたため、苦情などの声も漏れていた。

特に、避難勧告などの解除まで緊急速報が流れることについては、「いらないと思う」「音ならさんでいい」などと疑問や批判の声が多い。

もっとも、携帯電話会社によっては、緊急通報を受信しない設定にできたり、受信しても音を出さないようにしたりするなどのサービスはあるようだ。