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花の都、フィレンツェ。イタリア中部に位置するこの都市はルネサンス文化が花開いた場所であり、歴史的な建築物が数多く残されている。フィレンツェ中心部の「フィレンツェ歴史地区」はユネスコ世界遺産に登録されており、毎年数多くの観光客が押し寄せることで知られている。

英国の外務・英連邦省の調べによると、イタリアにおけるテロのリスクはヨーロッパのなかで11位だという。街の知名度や規模に対して比較的テロのリスクが低いことが、観光客がこの国を旅行先として選ぶ理由のひとつだといえるだろう。

現代の観光客は、写真を撮ることに夢中だ。フィレンツェを訪れる観光客も例外ではない。人々はFacebookやTwitter、InstagramといったSNSによく撮れた写真をアップロードすべく、街のあちこちにカメラを向けている。いいね!を獲得すべくシャッターを切り続ける彼らの姿からは執念にも似た強い思いが漂っている。

ロンドンを拠点として活動する写真家、オレグ・トルストイはフィレンツェを訪れた観光客に着目し、撮影に没頭する彼らの姿を撮影した。2017年春にトルストイがフィレンツェで撮影した写真をまとめたものが『The Tourist Trap』なる作品だ。

『The Tourist Trap』からは、テクノロジーの発展による観光客の姿の変化が伝わってくる。トルストイは「このシリーズはデジタルメディアとインスタ映えの時代の観光に目を向けています」と語る。この作品を見ていると、いまやただカメラをぶら下げているだけの人のほうが少ない気さえする。オーディオガイドを聴くためにイヤフォンをつける人、スマートフォンを掲げる人、なかにはサングラスに取り付けるタイプのカメラを使いこなす人までいるのだから。

「たくさんの国を超えてまさにこの場所に来ているというのに、友だちに見せるための完璧なポストカードのような写真を撮ろうとするあまり、ファインダーに没頭してしまっているというのは皮肉なものです」とトルストイは語っている。観光客は、いままさに自分が訪れている土地ときちんと向き合えていないともいえるだろう。

SNSウケを狙う観光客の皮肉な姿を批判することは、たやすい。事実、トルストイは観光客に批判的な目を向けている。しかし、一方で彼の写真からは独特の熱狂が漂ってくるとはいえないだろうか。それは観光地だけがもちうる強烈なエネルギーである。ガイドブックにも観光客のInstagramにも写り込んでいないリアルな観光地の姿がここにはあるのだ。

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