2017.08.22


東京快眠指南 Vol.32
by Megumi Kaji
熱帯夜の快眠術

台風が過ぎ連日猛暑が続いて夜も気温が下らず寝苦しい日も増えてきています。これまで何度かこの連載でも書いてきた「深部体温」ですが、熱帯夜で室温が29℃以上あると体温は下がりにくくまた湿度も高いと体から放熱することも、汗の蒸発もしにくいため、なかなか寝つけないということが起こってしまうのです。

熱帯夜で睡眠時間が不足する場合は、袖や裾のあるパジャマを着て、冷房は高めに設定して5時間タイマー、あるいは終夜つけて眠ることをお勧めします。汗の多くは枕や敷き寝具・マットレスの方に吸収され、湿気も下へとたまっていきますので、シーツやカバーを肌の接触面が少ないワッフル生地やクレープ地、麻などの素材に切り替えたり、通気性のよい夏用敷きパッドなどを取り入れるのもおすすめです。また、冷却ジェルなどのグッズは、首筋や脇の下など「ピンポイント」で短時間使うと、体温を下げてくれる効果があります

昼間のオフィスなど冷房の強いところで一日過ごす方は、夏にむしろ冷えて寝付けないという場合もあります。自律神経の乱れを整えて、体温を一旦上げるためにも、湯船にしっかりつかる入浴がおすすめです。さっぱりする香りの入浴剤などを使いながらバスタイムを楽しんではいかがでしょう。いろいろな夜の睡眠環境を工夫しても、寝苦しくどうしても睡眠時間が不足しがちなのが夏です。そんな時は、もともと体が持っている眠気のリズムが強くなる午後の早い時間帯に仮眠をとるようにして乗り切りましょう。

東京生まれ。1989年ロフテー株式会社入社後、快眠スタジオにて睡眠文化の調査研究業務に従事。1999年睡眠文化研究所の設立にともない研究所に異動後、主任研究員を経て2009年まで同所長。睡眠文化調査研究や睡眠文化フォーラムなどのコーディネーションを行なう。2006年、睡眠改善インストラクター認定。2009年ロフテー株式会社を退社しフリーに。2010年、NPO睡眠文化研究会を立ち上げる。

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