有働由美子アナウンサー

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 NHKの有働由美子アナやテレビ東京の大江麻理子アナなど、番組内で洋服の汗ジミをいじられて話題になった女性の「ワキ汗」。

 ネットで“ワキ汗 芸能人”と検索すると、藤原紀香や仲間由紀恵、松下奈緒など、芸能界を代表するような美人女優陣のワキ汗画像も多数アップされ、賛否両論のさまざまなコメントがつけられている。

 有働アナは2017年5月31日放送の『あさイチ』(NHK)の女性のワキ汗特集で、「男性がそう(ワキ汗を悪いと)思っているんじゃないかな、という思い込みが女性を気にさせている。ワキ汗もう変えようよ。いいことにしようよ。頑張って汗が出るんだから。ワキ汗かく人、いい人ばかりだよ」と意見を呈した。

 誰もが汗はかくものだが、果たしてワキ汗は「スメハラ(臭いによる嫌がらせ)」のように「汗ハラ」といえるのか? ワキ汗の疑問と対策方法を美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長に話を聞いた。

――ネットに出回る大量の有名人ワキ汗画像は、テレビ出演時のシーンが多い印象があります。やはり強い照明を浴びたり、気候にかかわらず見た目優先の衣装を着るなど、芸能活動自体がワキ汗をかきやすい環境にさらされているのでしょうか? 

高須「僕もテレビに出たりCMで踊ったりしてる(記事はこちら)けど、テレビ局や撮影スタジオはすごく暑いよ! 緊張、衣装、照明のトリプルパンチで、汗をかかないタイプの人でもかかざるを得ないと思う!」

――やっぱり! とはいえ汗は自然現象ですし仕方ないですよね。しかし、女優やアイドルなど、ルックスが美しい人ほどワキ汗をかいているところを見るとギャップで残念感が増すような……。

高須「そりゃあ、人は美女の落差を楽しむものだからだよ。ベッキーのゲス不倫だって、みなさん盛り上がったでしょ? だから“顔がきれいでもワキは臭いんじゃん!”みたいに、みんな思いたいワケですよ。これがいかにも汗っかきな雰囲気の芸能人がやっても、何も言われないでしょうね」

――しかし、有働アナは「ワキ汗をかいていいことにしよう」と主張しています。こうやって主張せねばならないほど、自然現象であるはずのワキ汗は周囲に対して「汗ハラ」として嫌がらせになると思いますか? 

高須「今はデオドラント志向がすごく強いんだよね。汗も口臭も無臭であるべき! みたいな。一度悪いことだと標的にされると、当たり前だったことが一気に排除されるものだから。タバコだってさ、昔は電車や映画館でみんなスパスパ吸っていたけど、今や喫煙スポットを探すほうが大変だからね」

――確かに、今は「喫煙=悪いこと」という風潮ですね! このワキ汗問題は、「女性の肌は無毛でつるつるで当然」という思い込みにも似ている気がします。

高須「タバコは健康問題があるから仕方ない面もあるけど、ワキ汗は悪ではないね。ただ、臭うんじゃないか? 洋服に染みてるんじゃないか? と本人が悩むのもかわいそうだと思う。芸能人なんか、汗ジミを作ると衣装が買い取りになるので、スタイリストさんの間で“あいつはワキ汗、要注意”なんて情報が交わされているというウワサもあるし」

――そんなことを言われたら、私でも汗ノイローゼになりそうです! ところで、暑い時期でも汗ジミゼロの芸能人はいったいどんなケアをしているのでしょうか?

高須「例えば、短期で舞台があるという芸能人の場合は、本番のだいたい5日前くらいにボトックスを打ちに来るというのはすごく多いよ! これは徐々に効き目がなくなるけど、ピタッと汗が止まるので急いでる方にいいかも。

 あとは従来の選択肢だと汗腺を切除する手術しかなかったんだけど、最新の『ミラドライ』というマイクロ波を照射する方法はおすすめ。ダウンタイム(施術してから回復するまでの時間)もほぼないし、切らないから傷跡も残らない、しかも効果が高いとあって、これからの汗ケアのスタンダードになるんじゃないかな」

――そうなんですね。ところで、ワキ汗やワキガなどは出やすい人・出にくい人の違いなどあるのでしょうか?

高須「汗腺や皮脂腺は遺伝要素が大きいので、まず遺伝であるか。それと簡単なチェック法としては、耳あか! 耳あかがネバつく人はワキガタイプ。サラッとフレーク状の人はないことが多いね。自分では自身の体臭に慣れて気づかないものなので、判断には耳あかを見るといいでしょう」

――では、日常的に自分でできる対策としてはどのようなものがありますでしょうか?

高須「清潔にすることに限るね! 面倒でも毎日きちんと入浴し、きっちり洗うこと。それとしっかり拭いて、少しでも汗と細菌が混じり合うのを減らすことが大事。でも、女優さんやアイドルは、入浴もだけど汗取りパットをつけなさいと言いたいですね〜。それでも気になったら、僕に言えばミラドライの予約をしてあげるよ!」

<プロフィール>
高須克弥(たかすかつや):
1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。脂肪吸引手術など世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。金色有功章、紺綬褒章を受章。『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)、『ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲』(Kindle版)、『行ったり来たり僕の札束』(小学館)。最新刊は『ダーリンは71歳・高須帝国より愛をこめて』(小学館)

高須クリニック http://www.takasu.co.jp/