観光庁の2016年4−6月期における「訪日外国人消費動向調査」によれば、調査対象となった中国人旅行客のうち「団体ツアー」で訪日したのは全体の36.4%であり、個人旅行パッケージを利用したのは16.8%、往復航空券や宿泊等を個別に手配した人は46.9%だった。(イメージ写真提供:123RF)

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 観光庁の2016年4-6月期における「訪日外国人消費動向調査」によれば、調査対象となった中国人旅行客のうち「団体ツアー」で訪日したのは全体の36.4%であり、個人旅行パッケージを利用したのは16.8%、往復航空券や宿泊等を個別に手配した人は46.9%だった。

 中国メディアの国捜旅游は8日、旅行会社による団体ツアーに参加した1人の中国人旅行客の感想を紹介する記事を掲載。記事によれば、旅行後、この訪日中国人旅行客は「団体ツアーには二度と参加しない」と不満を呈している。

 記事によれば、この中国人旅行客は団体ツアーに対して、「毎日、朝早く起こされて夜遅くまで、くたくたになるまで観光スポットを急いで駆けずり回された」、「京都を心静かに体験したかったが、せかされた」、「バスの中で眠り、トイレ休憩のために下車するツアーだった」という感想を吐露している。

 さらに、この中国人旅行客は「苦労して稼いだお金を旅行に使うのは、いつもと異なる場所に出かけ、いつもと異なる風景を眺め、いつもの日常生活から思いを開放する、いわば非日常を体験するためだ」と述べる一方で、団体ツアーからはこうした体験は得られず、むしろ「心と身体を疲れさせるだけだった」という。

 「訪日外国人消費動向調査」によれば、中国人旅行客の「訪日旅行全体の満足度」は「大変満足」が42.9%、「満足」が47.7%、「やや満足」が6.7%、そして「普通・不満」が2.8%だった。

 つまり、記事が紹介した中国人旅行客の感想は、調査に照らして言えば日本を訪れたすべての中国人旅行客の感想を代表するものではなく、むしろ少数派だ。さらに言えば団体ツアーに参加した訪日中国人旅行客すべての感想を代表するものでない。それでもこうした感想は団体ツアーに参加して日本旅行を計画している中国人にとって、考慮に値する情報の1つであり、日本側としてもさらに満足度を向上させ、リピーター獲得に向けて改善すべき点の1つだと言えよう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)