南シナ海問題で仲裁裁判所が下した判断に中国が従おうとしない様子が世界中で報道され、中国は「秩序やルールを守らない国」との認識が定着しているのではないだろうか。そんななか、中国メディアの捜狐は中国国民が普段の生活のなかでも秩序やルールを守らない理由を考察している。(イメージ写真提供:123RF)

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 南シナ海問題で仲裁裁判所が下した判断に中国が従おうとしない様子が世界中で報道され、中国は「秩序やルールを守らない国」との認識が定着しているのではないだろうか。そんななか、中国メディアの捜狐は中国国民が普段の生活のなかでも秩序やルールを守らない理由を考察している。

 記事は、現代の中国人について「中国人は列に並ぶのが嫌いな民族」と表現し、「中国人よ、なぜ列に並ばないのか」と疑問を投げかけた。確かにほとんどの中国人はバスに乗る時もチケットを買う時も並ぶことをしない。なぜこのような国民性になったのだろうか。

 記事が挙げた1つ目の理由は、「特権意識の氾濫による不公平な競争」だ。中国では立場やコネによって何事も対応が大きく異なるのが普通の国だ。病院での診察や手術もコネがなければ後回しにされてしまう国であり、正直に順番を守る人が少なくなるのも当然と言えるだろう。

 2つ目の理由は「並ばないことが習慣になっている」ことだ。大衆の力は強く、たとえ自分が列を守っていても、大多数の人たちが守らなければ秩序は生まれない。反対に大多数が列を守っていれば、一部の人が列を乱そうとしても秩序が保たれる。外国人であっても、中国で生活していれば自然と列に並ばない習慣が身についてしまう。

 最後に挙げたのは、「管理しきれていない」点である。記事は日本が中国を占拠していた当時の例を挙げ、兵士が鞭を持ち、秩序が保たれるようにしていた状況を説明。現在は権力者が「鞭」を持って秩序を保とうとしていないことが原因の1つであると論じた。中国人が国内での秩序やルールを守ることができていない現状で、南シナ海問題で仲裁裁判所が下した判断を中国が守るよう期待することは無理があるのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)