消費者庁も注意喚起 Windows 10アップグレードのメリット/デメリットとは?

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これまでにも話題になってきたWindows 10のアップグレード問題。
正しくキャンセルしなければ、意図しなくても自動でアップグレードが始まってしまうというもの。

先日にはついに消費者庁からも注意喚起が発表され、確認事項やキャンセルの方法などが公開された。

●メリットとデメリットを見極めてアップグレードしよう
消費者庁は、“消費者が安心して消費生活を営むことができる社会の実現”を目指して発足した省庁。これまでには、石油ストーブの不良製品に関するリコール情報、金融商品の詐欺に関する情報、食の安全に関する情報などを取り扱ってきた。

今回、消費者庁がWindows 10のアップグレード情報を扱ったということは、それだけ消費者にとって影響が大きいということだ。

とは言っても、Windows 10へのアップグレードは、もちろんデメリットばかりではない。
一部では、まるでウイルスのような扱いをされているが、アップグレードすることのメリットは当然ある。
そこで、消費者庁の発表情報を参考にしつつ今一度、メリット/デメリット、確認すべき事項について考えてみよう。

◆メリット
・セキュリティの向上

Windows 7、Windows 8.1も今後アップデートされるが、さまざまなセキュリティ面の脆弱性は依然として残る。
マイクロソフトはWindows 10にすることで、一段とセキュリティが強化されると発表している。
例えば、
うっかりウイルス対策ソフトの期限の更新を忘れても、その間は、Windows Defender が脅威から保護してくれるという。
また、延長サポート期間も、
Windows 7 SP1が2020年 1月14日まで、
Windows 8.1が2023年 1月10日まで
しかし、Windows 10は2025年10月14日まで延長サポートされる
(延長サポートは、セキュリティ面でのサポートが提供される期間)。

・パフォーマンスの向上
マイクロソフトの発表によると、Windows 7 がリリースされた 2009 年後半の秋冬モデルで比較したときに、起動時間、スリープからの復帰、ファイルコピーなどの速度が向上している。
そのほかにも、操作性の面でも、Windows 8.1でガラリと替わったスタートメニュー操作などが、Windows 10では少しだけ旧来の操作に戻っている。

・7月29日までは無償でアップグレード
自動アップグレードを実行すると、Windows 10への切り替えは無料で行える。期間は2016年7月29日までだ。
これ以降にアップグレードしたいと思っても、有償のパッケージソフトを購入することになる。

◆デメリット
・ソフトウェアや周辺機器の対応

いちばん気になるのはこの問題だ。
これまでにも、アップグレードすると使えなくなるソフトウェアなどが報告されている。現在までに、ソフトウェアやハードウェアメーカーの多くは対応状況を発表しているが、アップグレードのために全部の状況を確認するのはかなり面倒な作業となる。

パソコン本体はもちろん、周辺機器のチェックも必要だ。ソフトウェアも、便利だと思って入れたツールまでチェックが必要だし、Windows 7のデスクトップガジェットは使えなくなる。

・アップグレード時に発生する危険
いったんアップグレードが始まると、1時間以上はパソコンを操作できない。この間に、もし誤って電源を切るなどすると、パソコンを起動できなくなる場合がある。
また、パソコンのスペックなどの問題から、アップグレード後に起動できなくなったり、極端に動作が遅くなったりするなどのトラブルが発生することもある。

消費者庁の発表資料には、アップグレードをキャンセルする方法も書かれているので、アップグレードしたくない場合には、あらかじめ、これを参考に設定しておこう。
また、アップグレードの実行で万が一トラブルが起きたときには、マイクロソフトのサポート窓口に相談するように、連絡先も示されている。

もし、アップグレード後、パフォーマンスに納得いかない場合や、万が一必要なソフトが動かなくなった場合は、1カ月以内なら元のOSに戻すことができるので、こちらも試してみよう。

Windows 10への無償アップグレードに関し、確認・留意が必要な事項について[PDF:612KB]