101歳のおばあちゃんがきっかけ...ヒット中のパン焼き器「タミパン」誕生秘話
[OH!バンデス - ミヤギテレビ] 2016年3月4日放送の「バンデス記者」のコーナーで、南部鉄器を使ったヒット商品を紹介していました。
全国から注文殺到!岩手の南部鉄器製パン焼き器
岩手県奥州市水沢区にある「及源(おいげん)鋳造株式会社」は、今おしゃれな形で注目されている伝統工芸・南部鉄器を扱う会社です。
併設の直営店「OIGEN Factory Shop」に陳列されているパン焼き器「タミパンクラシック」(税抜8000円)は、アウトドア情報誌「BE-PAL」でも取り上げられた逸品です。
「タミパン」の愛称で全国のファンから親しまれているこの商品が世に出るまでには、とても心温まる物語がありました。
戦後の母の思いを形に 南部鉄器で蘇ったパン焼き器
鉄鍋で焼くパンを世に広めた「タミさん」こと近江タミ子さんは、及源鋳造の社長の御祖母様。なんと101歳になる、笑顔の素敵なおばあちゃんです。
タミさんは、食べ物のない戦後の時代に子供達のお腹を満たしてやりたいと闇市でジュラルミン製の鍋を購入し、パンを焼いたのだそうです。砂糖の代わりにかぼちゃで甘さを出したりと、当時の苦労が伺えます。
そして食べ物に困らない時代になり鍋は一旦、物置へ仕舞われます。
20年後。物置から鍋を出したタミさんは再びパンを焼き、水沢のお孫さんへとお土産に持って行きました。
そのホッとする味に触れたお孫さんは「鋳物で作ってみたい」と思い立ち、南部鉄器で「タミさんのパン焼き器」を製造したのです。
これを使ってパンを焼くタミさんも「ジュラルミンのように焦げなくて良い」と太鼓判。100歳の記念にIH対応「タミパンクラシック」へとリニューアルし、時代に合った使いやすさを叶えています。
あたたかくて大きな母の愛をもったタミパンが、現代のお母さんによって子供達に愛情を伝えていけるのです。世代を繋げる素敵な逸品、ぜひ直に触れてみたいものですね。(ライター:M.)