彼の名前はフィリップ。スウェーデン人だ。彼は仕事の面接に来た。スポーツ飲料「Vitamin Well」の会社だ。面接に臨んだ彼の前に現れたのは、ズラタン・イブラヒモヴィッチだった…。

パリ・サンジェルマン（PSG）に所属するスウェーデン代表のイブラは、「Vitamin Well」のスポンサードを受けている。その「Vitamin Well」がYouTubeで、イブラが採用の面接をした様子を公開した。

面接会場に案内され、スマホで身なりをチェックしたフィリップは、突然現れたイブラに動揺し、「あなたに直接お会いするとは思っていませんでした」。するとイブラからは「どうして？　これはズラタンの商品だろう？」。その存在感に、フィリップは笑顔を見せながら固まる。

いよいよ面接開始。まずは「Vitamin Well」に何種類の味があるかとの質問に、フィリップが答えられない。イブラから「Vitamin Wellのことを何か知っているか？」とすごまれ、慌てて「知っています」と返すが、「じゃあなんだ？」との続けざまの質問にどもるばかり。

「大丈夫か？　2分で深呼吸する？」という“気遣い”も、もはやプレッシャーでしかない。「好きな味は？」と聞かれ、「ピーチです。好きなんですよ」とようやく安堵した様子を見せたフィリップだが、「じゃあその名前は？」という矢継ぎ早の質問にはまたも黙るしかなかった。

高まる緊張。イブラは「どうして君はオレのチームにいるべきなんだ？」とさらに冷や汗ものの質問を突きつける。真面目な顔でしばし沈黙したフィリップは、「自分はチームプレーヤーだからです」。「誰かが自分を必要とするなら、僕は常にいます」「貢献というか…」と言葉をひねり出すが、その口調はイブラも思わず笑みをこぼすほど。それでも、フィリップが「僕は商品をうまく売ることができると思います」と締めくくると、イブラは「それこそオレたちが求めていることだ」と応じた。

ところが、ここでイブラから「好きなサッカー選手は？」と予想外の質問。「えっと…」と再びどもるフィリップを、イブラはおちゃめな顔で睨みつける。答えはもちろん、「あなたです」。すると即座に、イブラは「すごくいいよ、フィリップ。オレたちは正しい道にいる。グッドラック」と握手を求める。

約2分の面接後、イブラは「君が仕事をゲットできるように全力を尽くすよ。グッドラック。元気でな」。事実上の“採用通知”に、フィリップは固く握手をかわして笑顔を見せた。