■小豆島の野球部訪問の記事を紹介!県立小豆島高等学校(2012年06月25日公開)

 平成29年4月からは島内にある土庄高校との統合が決まっている小豆島。今秋の四国大会には徳島県まで島民がバス10台で応援に駆けつけるなど地域に愛されている高校である小豆島。学校の特色、選考状況を詳しく振り返りました。

学校紹介小豆島ナイン(平成27年度秋季四国地区高校野球大会 準々決勝より)

 旧制中学からの流れをくみ、平成27年度で創立95周年を迎える伝統校。島内の過疎化に伴い、平成29年4月からは島内にある土庄高校との統合が決まっている。「希望」「気魄」「礼節」を校訓とし、生徒一人一人の資質、能力を十分に開発し、自ら主体的に判断し行動する心豊かでたくましい人間を育成することを教育方針としている。一学年は100名にみたない状況であり、全校生徒のほとんどが小豆島出身である。

 現在野球部の新チーム(1、2年生)の男子部員数は、島内出身者のみの17名である。学校生活においても野球部員4名が学級委員長、1名が生徒会役員になるなど、中心的役割を担い、他の模範となれるよう日々努力している。野球部の方針として、自ら考え行動できる自立型人間の集団作りを目指す「自走集団」と、「Enjoy Baseball」、「ボトムアップ」を掲げ、指導者と選手が一体となるスタイルを目指し野球に取り組んでいる。

 地域に根ざした学校にふさわしい様々な取り組みも行っており、小豆島祭りの準備・運営協力、地域の清掃活動などのボランティア活動に取り組んでいる。小豆島高校としての活動も残り少なくなりつつあるが、町民のほとんどが校歌を歌うことが出来るほど地域に愛された高校であり、今秋の四国大会には徳島県まで島民がバス10台で応援に駆けつけた。その中には介助者に付き添われた方もいて、野球部の活動や活躍が地域に大きな元気と勇気をもたらしている。

地区選考状況

 まず本年9月に改定された選抜高校野球大会運営委員会からの通達文や選考基準を確認すること、各県からの資料にしっかり目を通すことから始めた。その後、各県理事長によるプレゼンテーションによって推薦理由が述べられ選考に入った。慎重に審議を進めていく中で、先ず高知県の高知小津高校は、伝統もあり文武両道の学校として制限された練習時間と環境の中で取り組んでいるが、四国の推薦校としては他県の候補校に及ばないとのことから辞退した。

 続いて愛媛県の川之石高校も、少人数で指導者と部員が一体となっての取り組みは評価に値するが、他県との比較では及ばないとの判断から辞退した。2校が候補から外れ、香川県の小豆島高校と徳島県の生光学園高校の2校に絞られた。生光学園高校については、甲子園大会出場を目の前にし、ここ数年にわたってあと一歩のところで数多く惜敗し、その機会に恵まれない点也、その取り組みが徳島県内でも他校の模範となっているという点では評価できるとしたが、やはり部員数や練習環境等から一般枠での出場を目指すべきだとの意見が大半を占めた。

 島との少子化と過疎化で平成29年の4月には統合を控えている中、県大会で優勝し四国大会にも出場した小豆島高校については、島というハンデを克服すべく、17名の部員が指導者と一体となり工夫した練習に取り組み成果を上げ、学業と野球部の活動を両立させ校内でも活躍し、地域への貢献も顕著で、地域の人々からも愛されている点などが高く評価された。

 勝敗にこだわらず多角的に選考していく点から見ても21世紀枠の選考基準を小豆島高校が数多く満たしていると判断され、最終的に小豆島高校が四国地区の候補校として最もふさわしいとして出席者の満場一致で決定された。

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