[11.22 J1第2S第17節 G大阪4-0山形 万博]

 キーマンはやはりFW宇佐美貴史だった。ガンバ大阪はこの日、FWパトリックを出場停止で欠いた。そのため、普段は2列目を務める宇佐美が1トップの位置で起用された。

 前半はその影響がもろに出てしまった。前線でタメが出来ず、持ち前のパスワークが完全に鳴りを潜めていた。宇佐美も「自分のところでリズムがなくなっているように感じていた」と、もどかしい思いを持ってプレーを続けていた。

 流れを変えたG大阪の後半10分の2枚替え。これは宇佐美にも好影響を与えていた。FW長沢駿が入ったことにより、宇佐美が本来のポジションである攻撃的MFに下がることが出来た。「駿くんっていうターゲットが出来て、勢いが出てきた。やっぱり右にいても左にいてもいいというポジションは、自分にとってはすごくやりやすかった」。

 ただ自身はゴールを挙げることが出来なかった。今季は第1ステージで13得点を挙げて得点ランキング1位でシーズンを折り返していたが、第2ステージは6得点と失速。FW大久保嘉人に得点王の座を奪われてしまった。宇佐美も「残念だし悔しい」と唇を噛む。

 しかしチームはチャンピオンシップ出場権を獲得し、タイトル奪取の可能性を残した。また、リーグ戦の使用は最後となったが、万博陸上競技場でCS決勝を戦うチャンスも残っている。「このスタジアムには何かある」と宇佐美。「(FC東京を逆転できたのは)万博の力、サポーターのみんなが作り出してくれたスタジアムの力だと思う。次のステージに勢いをつなげたい」と闘志を燃やした。

(取材・文 児玉幸洋)
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