腹から大山のぶ代の声が聞こえてきそうな『ダンガンロンパ』のモノクマデザイン。裾をしばるスタイルの、ドロップショルダー。

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以前、PEACH JOHNがセーラームーンなりきりブラセットを出して話題になりました。
おっさん世代のぼくは見た時、めちゃくちゃ衝撃だったんですね。セーラームーンを、オタク向けではない形で、しかもランジェリーとは! ありなのそれ?
ところがネットの反応は上々。
「すごいかわいい!」「セラムンならあり!」。
あれ、アニメだという抵抗意外にないの? ぼくの考えすぎ?

さて今度はレディースアパレルブランド「CECIL McBEE」がやってくれました。
4月29日から、第一弾として『魔法の天使クリィミーマミ』『カードキャプターさくら』『ダンガンロンパ1・2 Reload』のチュニックやオフショルダートップスが発売されます。
すべてMサイズで税込み4212円。

ここでよく見ておきたいのが、年代。この3作品、15年おきにチョイスされています。
1つずつチェックしてみましょう。

まず『魔法の天使クリィミーマミ』は1983年放映のアニメ。
もう30年以上前です。なので若い子の中には知らない人も多いはず。魔法でちょっとだけ大人になって、アイドルになる、という当時の夢を反映したアニメでした。戦ったりしません。

ターゲット層の女性から見て「時代を大きくまたいでいる」作品。
胸の真ん中にドドーンと柄が入っているのも、キャラクターそのものが「萌えオタ絵」ではなく「レトロポップ」として扱われているから。アメコミ絵のプリント柄みたいですね。
そして肩と背中の大胆露出。お兄さんドキドキです。
なるほど、これが魔法……。

『カードキャプターさくら』は1998年放送。
女の子たちはクロウカードを集めるさくらとケロちゃんと、それを撮りまくる知世ちゃんの活躍を見ていたことでしょう。魔法少女としては珍しく、変身は特になし。派手な服を着せているのは知世ちゃんのしわざです。
ぼくの観測範囲では、大きいお友達に圧倒的な支持を得ていた作品だった気がします。大好きでしたともええ。
このへんだと、リアルタイム世代も多いでしょうし、再放送でみたことがある人もいるはず。
今回の服のターゲット層的には、認知度は相当に高いです。と同時に今回の3作品の中では最も「オタク向けか、否か」の吊り橋にある作品。

『カードキャプターさくら』のリボン付きチュニックは、今回の新アイテム3つの中で、最もぱっと見わからないデザインになっています。
柄で気づく人がいたら、仲良くするしかない。肩のケロちゃんや首筋のさくらちゃんが、発見されるかどうかも楽しみの一つになってます。
アニメ系のオシャレアイテムの一つ「知っている人にしかわからない」遊び感が、よく出ているデザインです。

『ダンガンロンパ』は2013年のゲーム。最近も最近ですね。アニメ化もされています。
モノクマの、人殺しをするゆるキャラ、というグロテスクなポップさは大変人気。すでに様々なコラボ商品が出ています。グルーミーなどと並べたいですね。
他にもたくさんの人間キャラが出てきます。でも群を抜いてモノクマは有名。モノクマは知っているけどゲームを知らない人もいるかも? 
なので、ババーンと胸のどまんなかにデザイン。その分服の形状にこだわりを詰め込んでいます。
『ダンガンロンパ』は、他のキャラや世界観含め、グッズ・アパレル側の求めているものとの相性が、最初からよい。ここは『マミ』『さくら』と比較しておきたいところ。ターゲット層の年齢と合わせて、2013年の女児向けアニメチョイスじゃないんですよね。

3つの世代の作品をどう見せるのが効果的か、細かく計算されています。
さすがに例えば、胸の真ん中にさくらちゃんのプリントドーン、は抵抗がある。でもマミならOK。
第一弾ということなので、まだまだ続くようです。
アニメファン向けだけではない、アニメアパレル。
ただコラボすればいいわけじゃない。ちょっとした気遣いと工夫が、キモになるはずです。
(たまごまご)