NASA、地球外生命探査プロジェクト NExSS 設立。無数の太陽系外惑星に生命存在の可能性を探る

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NASA が地球外生命を探査するプロジェクト NExSS (Nexus for Exoplanet System Science)の設立を発表しました。地球科学・惑星・太陽系物理学など各分野の科学者や大学、研究機関が連携して、生命が存在する可能性のある太陽系外惑星を効率的に発見・分類するシステムづくりを目指します。 
NExSSでは、地球科学者は生命が存在する手本でもある地球についての調査を深め、惑星科学者、天体物理学者は太陽系の惑星やその衛星、太陽と惑星の相互作用などを詳細に研究します。そしてそれぞれの分野のデータを持ち寄ることで太陽系外で生命が存在する可能性のある惑星を分類するシステムをつくりあげる計画です。

このシステムは2009年にケプラー宇宙望遠鏡が稼働して以来発見された、何千もの太陽系外惑星や、これから発見される惑星の分類にも役立てられる見込みです。またワシントンにある NASA 本部の天体物理部局長ポール・ヘルツ氏は「この科学的アプローチを、今後打ち上げるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などの観測結果解析にも応用したい」としています。

NExSS はカリフォルニア州にある NASA エイムス研究センターのナタリー・バターリャ氏がリーダーとなり、NExScI (NASA Exoplanet Science Institute)やゴダード宇宙科学研究所、さらに12か所の大学や研究機関で構成します。

NASA は先日、10年以内に地球外生命の兆候が発見できるとし、20年以内には生命体そのものを見つけられるという見解を示しています。最近は火星探査ローバーのキュリオシティが、生命が存在し得た可能性を発見したり、土星の衛星エンケラドスに温水の存在が確認されるなど、いつ地球外生命が見つかってもおかしくない雰囲気となりつつあります。

NExSS の活動が成果をあげれば、いつか宇宙望遠鏡の向こう側に「もうひとつの地球」といえる豊かな惑星が見つかる日がくるかもしれません。