タバコを止めて太るのは女性ホルモンの影響だった!?
「生活のすべて――性格、友達の数、恋愛経験、食欲、睡眠の深さ、老化のスピード、がんになりやすいかどうか、寿命など――は、実は全部、私たちの体自らが作り出す『ホルモン』と呼ばれる物質が決めています」
書籍『なんでもホルモン』のなかでこう述べるのは、同書の著者で慶應義塾大学教授の伊藤裕さん。伊藤さんは、長生き、成功、若返り、愛情と、生まれてから死ぬまでの私たちの生活をコントロールしている源には、「ホルモン」の存在があるといいます。
ホルモンが私たちの生活全てを決める......だとすれば、ホルモンをうまくコントロールすることにより、体の不調はもちろん、生活における様々な悩みも解決に近づくのではないでしょうか。
たとえば、タバコをやめたら太ってしまったという悩み。
タバコをやめると口寂しくなり、つい食べる量が増えるために太ってしまうと思いがちですが、伊藤さんによると、これはホルモンが原因なのだそうです。
注目すべきは、タバコに含まれるニコチンに、男性ホルモンを女性ホルモンに変えるアロマターゼの働きを抑制する作用があるということ。つまりタバコをやめると、アロマターゼの働きがよくなって、タバコを吸っていた時よりも女性ホルモンが増加。女性ホルモンは脂肪を蓄積しようとする働きがあるために、タバコをやめると太ってしまうのだといいます。
ちなみに男性ホルモンと女性ホルモンの影響は、目に見える形として、指の長さに現れるといます。女性は人差し指と薬指の長さはほぼ同じか、人差し指の方が長いのに対し、男性ホルモンの分泌がはるかに多い男性は、薬指の長さが人差し指に比べて長いのだそうです。
また男性ホルモン濃度が高いと、瞬時に状況を判断して、きっぱりと決断する姿勢が強くなるともいわれているそう。
そんな男性ホルモンの代表は、テストステロン。このテストステロンの分泌には日内変動があり、朝に多く分泌され夕方には少なくなるといいます。そのため、大切な決断は、テストステロンの多く分泌される朝に行うことを伊藤さんはすすめます。
100種類以上あるというホルモン。そのパワーは大きく、「私たちの体を、50mプールに例えると、そこにスプーン一杯のホルモンがあるだけで、ホルモンは十分その威力を発揮」(本書より)できるほどだといいます。
本書には、ホルモン力の強化方法も記されているので、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。