辣腕代理人の狙う攻防ラインは「4年契約5500万ドル」か。米国ニューヨークの地元紙「ジャーナル・ニュース」の電子版は30日(紙面では29日付)に、「松坂:魔球を持つ男」というタイトルでポスティングによる大リーグ入りが注目される西武・松坂大輔を取り上げ、「代理人のスコット・ボラスは、4年契約で最低でも5500万ドルを狙うだろう」と報じた。

 その結果、交渉権獲得のための入札金だけでも、2000万ドルを超えると噂される“松坂獲り”には、「今季の15球団合わせた総年俸より高額な8000万ドルが必要だが、それで、エースが獲れるなら」と同紙。さらに「彼はナンバー1の先発投手になれる」という日ハム・ヒルマン監督の談話も紹介している。松坂自身はマリナーズ入りを希望しているとも言われるが、「ヤンキースは、松坂の高校時代の先輩で元チームメイトの紀田彰一を、日本駐在スカウトとして雇うほか、ジーン・アフターマンGM補佐が、ここ数ヶ月で何度も日本へ出向き情報を収集している」と、着々と進むヤンキースの囲い込み作戦を報じている。

 更に同記事では、「打撃不可能な魔球を持つ男だから、ヤンキースは1億ドルを投じる」として、松坂の武器であるスライダーを“魔球”と紹介した。「ジャイロボール」の研究で有名な理化学研究所の姫野龍太郎博士の理論を掲載するほか、イェール大のアダイヤー名誉教授の分析まで網羅する詳細さ。更に、ウエブサイト「YouTube.com」を検索すれば、松坂のストライクゾーンで外角高めから内角低めに鋭く変化する、その魔球を、5つの動画で見ることができる、とも。未知の大物である松坂への興味の強さを象徴する記事となっている。【USA通信】